2020年…那珂川
天然アユは遡上をはじめたんでしょうか?
2019年は茨城県の千代橋付近で3月14日に遡上アユの群れを確認しましたが、今年はどうなんでしょう。
天然遡上アユの動画はこちら👇
とにかく、那珂川を見に行かなきゃ始まらない!
ということで、来ました。
水はちょっと少ないですが、こないだの雨でやや持ち直した感じです。
川底の石もきれいです。
太陽の輪の周りをトンビが群れで旋回しています。
那珂川を擦り込む…みっちり5時間幼児教育
ちびっこを連れて、テントを設営し…
遡上してくるアユをひたすら待ち伏せします。
おにぎり持参。
ちびっこ同伴ですので、もちろん石を探して遊んだりしながらの調査です。
ちびっこは勝手に楽しみを見出すものです。
何この跡??
見たこともない跡が、河原の砂地に!?
川へ延びています。
アナコンダか?
新種の生物?とも思いましたが、足跡をたどって納得しました。
亀……クサガメ?…イシガメ?
イシガメだと希少らしいです。
イシガメなら甲羅の後ろの方がギザギザらしいのですが…
甲羅はかなり擦れてもまれている様子なので、ギザギザが削れている可能性も。結局、わかりません。
臭くはありませんでした。
昼前から夕方まで…ガッツリ5時間。
時には20㎏を抱っこして歩いたり…
石が小さいとは言え、運動不足のおじさんにとっては、きつい調査です。
岸際の遡上経路と想定さえる場所を見つめます。
カワウもサギと共に那珂川に出勤中。なにやら連携して魚を追い込んでいます。
アユなのか!?
話は変わりますが…
僕の2人のちびっこには、どちらも那珂川の情景や那珂川の魚を連想させる名前をつけました。
そのかいあって、ちびっこが生まれる年にはアユの大量遡上があったとか・・・ないとか。
とにかく、那珂川にきて、川とか魚とか、いきものの雰囲気を感じとれるようになってもらいたい。そういう思いが強いです。
20年後、川にいる人が誰もいなくなって、川が腐れる…なんてことが無いように、自分の子供には、よ~くと那珂川を頭に擦り込んでおくのです。
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アユを占う
その年のアユの遡上を予想するとき、海の海水温は重要なキーとなることが知られています。
アユは秋に川で産卵孵化してから、春に遡上してくるまでの仔稚魚の間を海で過ごすことは、みなさんもご存じかと思います。
この期間に如何に順調に成長できたかが、遡上量や早期遡上の良しあしに効いてくるらしいのです。
海が暖かいこと。
これはアユの仔稚魚にとってプラスの条件となるようです。
とりわけ、冬は寒く餌も少ないのであまり成長できないため、秋にどれだけ成長したかが、遡上可能なサイズになるまでの期間を決定するとも言われています。
秋に十分に大きくなっていないと冬の低水温に耐えられずに死んでしまうアユも増えてしまいます。また、アユを食べる捕食者が多い海においては、成長が滞ることで滞在する期間が伸びることも減耗のリスクを高めてしまいます。
さて、くる2020年シーズン。
遡上アユはいつごろ来るのでしょうか?
今年は2月中に初遡上が確認される可能性もある?
ということで、下の表のとおり、那珂湊の海水温のデータを茨城県のHPから入手してまとめてみました。
那珂湊の海水温はいかに?
*MEANは過去25年間における海水温の月別平均値を表しています。
2020年1~2月の海は暖かく、昨年2019年同時期よりも一か月早く暖かくなっているような状況です。
良い感じですかね?今のところは。
産卵のピークがある秋(2019年10~11月)も平年並みの海水温ですので、台風後に産卵して孵化して降ったアユたちが、良く成長できたのかな~?
ただし、台風で産卵時期が少し遅れたのだとすると少し後ろにずれ込みそうですね。しっかりとリカバリーして冬を乗り越えてくれていると良いのですが。
こんな流れになってもアユはしっかりと身を潜めて生き残り、産卵するのですから。
すごい生命力です。
ちなみに昨年2019年は、遡上は早くに確認できたものの、今いちアユの数が少なかった…というような印象ではないでしょうか。
2019年遡上のアユが海にいた2018年秋~初冬の水温を見てみると…
11月は平年より1.29℃も水温が高く、12月は2度も低い。
そんな状況でした。
孵化したアユの仔魚の流下が例年通りの11月に数多くあったとすれば、この11月孵化のアユたちは、海の水温が始めのうち高すぎて、その後12月に急に低くなりすぎて、うまく遡上アユとして春に帰ってこられなかった、減耗してしまった・・・そんな可能性も考えられます。
1~3月の海水温は高かったので、やはりこの時期の影響が大きかったような感じはしますよね。
そう考えれば、今年は比較的に良好な遡上があるのではないのかとも思えるのですが…。
好調だった2014年、2017年シーズンについて見てみると、やはり秋の海水温の安定と冬の海水温の高さが伺えます。
那珂川の水温が20℃をきってくる頃に産卵があることが水温データから分かりますし、その頃海も同じぐらいの水温をとるので、川から海への順応がしやすい時期にまとまった産卵がある。というのが那珂川だと思うんです。
ですので、流下時期の川の水温と海の水温との差の問題なんかも影響するでしょうし、海の栄養状態や捕食者の量なんかも考えなくてはいけませんので、要因はさまざまです。
これだけではなんとも言えませぬ。
やはり、単年データの傾向から推測しても疑わしい。
遡上アユの孵化日組成と海水温、遡上時期や遡上量などのデータを長年とりためて解析していけば、那珂川アユ独自の遡上傾向を見いだせる可能性も……
あるかもしれませんね。
残念ながら色々考えているうちに…結局…
「わかりませんけどねっ!」というところに落ち着いてしまいます。
詰められないわけです。
やはり、僕にはアユの遡上を占う力はなさそうです。
そのかわり、2020年の那珂川天然遡上アユをなんとしてでこの目に納めたい!
それだけは、できる……かも?
ちびっこの予言書によれば今年の遡上は…
立派に占ってくれた。
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