THE OTHERS

春の小川はタナゴ、グロキ、キンブナ、メダカ・・・賑やか

里山の春。
山へ向かえば、山菜やら野花がたくさん。名前がわからないものばかり。
今まで存在に気付かなかったものの多さに驚く。

ジュウモンジシダ(かすこごみ)
ワラビ
ヤブレガサ
ニリンソウ
ヒメオドリコソウ
ヤマブキ

載せきれない。

動物のうんこも。みんな同じ動物のうんこなのか。
ここは公衆のお便所?

畑には…クモ。何これ?
クモの巣に水滴がついていただけだと思うのだが、よく見る。

沢に行けば…
小学生の頃、学校から帰って、急いで友達とサワガニ採りにいったっけな。
当時はバケツにたっくさん捕れた。今も健在。

那珂川ではカワゲラが飛び交い…

カジカガエルも河原の石の隙間から顔をだし、時に太陽を浴びながらきれいな声で鳴いている。

ちびっこが家に連れて帰って鳴き声を聴きたい。というので、一晩だけ家の玄関に泊まっていただいた。残念ながら鳴かなかった。
学生時代、ヤマアカガエルを水槽で飼ったとき、夜中よく鳴いていた。流木やコケなどもレイアウトしてより自然な環境を整えたことが良かったのだろう。
何とかちびっこに耳元でカジカガエルの声を聴かせてあげたい。
今年の目標にしよう。

春といえば、桜、菜の花、小川…

やっぱりタナゴでしょう。こちらは家にいるタイリクバラタナゴ。
外来種といえども、きれいさゆえに飼っている人も多いはず。日本在来のタナゴは、もちろんとてもきれいでヨシノボリに負けないくらいの美しさ。そうそう、ヨシノボリが淡水魚の中で一番色が好き。
日本在来のタナゴでは、カネヒラやアブラボテ、ヤリタナゴ、アカヒレタビラ、シロヒレタビラ、タナゴ(マタナゴと言われる。以下、マタナゴ)、ヤリタナゴ、ゼニタナゴなんかを飼ったことがある。中でも、マタナゴは一番飼育歴が長かった。

撮影中、すぐにちびっこの観察がはじまる

小学生の頃、那珂川本流沿いには野池が点在していて、そこにはタイリクバラタナゴやマタナゴ、そして手のひら大のドブガイ(当時はカラスガイと言っていた)がいた。オオクチバスや雷魚が生息していたが、タナゴはたくさんいたのを覚えている。冬になると、氷が50㎝ほどの厚さに張っていて(当時の感覚のスケール)、父親とよくフィギアスケートをしにいっていた。
今は川の流れも変わって池はない。今思うととても貴重な環境で、しかも本流下流域にマタナゴやドブガイ類が生息していたのはすごいことなのではないだろうか。今も那珂川のどこかにひっそりと生息しているのかな?
未だに那珂川沿いの野池や水たまりをみると、自然にドブガイを探してしまう。いるならぜひ見てみたい。

一方、那珂川の上流地域にはマタナゴが多く暮らしている。大水がでれば下流域へと流れてきて(移動してきて)、下流域のドブガイと出会い、繁殖の機会を得る。こうやって、分布が広がったり、新たな個体群が生まれる。そして万が一の時に那珂川のマタナゴは生き延びることができる。
そのプロセスの一部分に小学生の頃、出くわしたのかもしれない。

栃木県にはミヤコタナゴという魚がいる。日本固有の魚で国の天然記念物。とてもきれいで、飼いたいのだがもちろん一般に飼うことは許されていない。生息する場所は田んぼのまわりの水路。マタナゴも同様の場所にも生息するが、ミヤコタナゴはより狭小地に棲む。マタナゴのように本流では見ない。ミヤコタナゴも昔はマタナゴのように近隣の個体群と容易に交流できたのだろう。現在では極めて難しい。

タナゴの繁殖そしてドブガイの繁殖

話があちこち飛んでしまったが、タナゴ類の繁殖には淡水性の二枚貝が必要である。なので、タナゴ類を飼育していても繁殖させられない。

4月中旬…家ではドブガイを水槽へ入れ、タイリクバラタナゴの繁殖の準備が整った。

ドブガイを投入して数日。タイリクバラタナゴと同居していたシマドジョウが体調を崩した。父親は白点病を疑ったが、よく見ると…
タイリクバラタナゴのヒレに付いた茶色い粒のようなもの。二枚貝にも様々な種類があるが、大きさ、形、色がそれぞれ異なる。
グロキディウム幼生。これはドブガイの赤ちゃん。

水槽にいれたドブガイが幼生を放出し、それが寄生した。淡水二枚貝の子供は幼いころ魚の体に寄生する。数週間を魚の体で過ごした後、魚から離れて川底へ着底し、成長する。とても面白い生態。
タナゴ類の繁殖には必要不可欠な二枚貝。どんどんいなくなっているのが現状。ミヤコタナゴの生息地でも同様、二枚貝を増やすことが急務となっている。しかし、二枚貝はこんな複雑な生活史を持つがゆえに、人工増殖が難しい。魚から離脱した稚貝の餌は珪藻や緑藻と言われる。生息環境の水を使用した飼育方法では成功している例がある。一方、人為環境下で生息環境の水に頼らず、給餌をうけながら長らく成長させられた事例はないだろう。

時期とタイミングを見極め、ドブガイの採集から水槽収容まで適切な工程を経れば簡単に幼生の放出と幼生を魚体に寄生させることができる。

自宅で二枚貝の増殖を成功させられたらどんなにすごいことだろう。

チャレンジできるかな~。

仲間たち

ここまで書いて、中身がないわりにお腹いっぱい。
我が家の仲間を少し紹介。

キンブナ。今、だいぶ少なくなっている。
栃木県の市貝町ではキンブナを特産品にしようと田んぼや廃校になった小学校のプールを使って増殖に取り組んでいる。
中学生の頃、家の前の川でよくフナ釣りをした。餌はへら釣り用のマッシュポテトとかいう白い練り餌。小腹がすいて、マッシュポテトを食べながら釣りをした。フナ釣りはへらウキがククッと沈むのが好きだった。キンブナも釣れたような気がする。

メダカ。何メダカかは知らないけれど、品種なのだろう。家の周りの水がめに泳いでいても、このきれいさには気づかなかった。

あぁ~。
身の回りにある魅力的なもの。少し腰を低くして覗いてみないと意外と気づかないもの。これまでの生活や普段の生活の中では気づかない発見があった。

春。

何かの始まりで、なんかそわそわ嫌いな季節だったけど。
気持ちのゆとりと安定の中でみる春は全然違うものだった。

とにかく賑やかで、美しく、そしてエネルギッシュ。

もうちょっと春を楽しもう。

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