AYU

川鵜80%、遡上鮎8000%

3/14のスーパー帯からしばし連日鮎は遡上が続いた…が雪で一気にまばらに。
・・・が3月末にはまた立派な帯が復活でマルイチ日遡上。

川へ行けば8000%鮎がいる状態。

そして4/10は朝からずっと帯、夕方6時を過ぎても遡上は止まらない。
サイズはやはり小さい。

その後も増水がらみでやや緩やかな場所にステイする群れも散見されているが、ほぼ毎日帯。

茶系の濁りがでたって朝から遡上は継続する。

増水にからんで流下する虫がグンと増える様子も確認でき、遡上鮎は遡上しながらそれを食してのぼっていく。
川の虫、コケ、これらを取り入れて急成長していく。
水中のようすを観察することで知ったことが今年もたくさん・・・。

今のところ2023年並みの遡上があるかといえばありそうで、それ以上なんじゃないかと期待しているところなんだけど、まだ実感できていない。むしろそのピークがくるのだとすればちょっと遅いかなと…。

でも茨城千代橋での県調査ではピークがでてきている様子だし、GWあたりにグワッとくるんじゃなかろうか、と期待。
そんなことを記録していたらやはりそんな状況らしい。

そうは言ってもただまだ2023ほどではないかなと、特に量についてはまだまだわからない。
そんな印象は5月上旬には少しかわってきた。ワンドや砂地、泥場にも鮎の群は入りこみ遊んでいる。

そして鮎のサイズ。
早生の遡上群は結構大きかったけど、それがちゃんと成長してて4月中旬には15cmほどになってギラギラとコケをはんでいる。
2023はもっと早めに15cmクラスがギラついていたことを考えるとちょっと遅い。
いずれにしても順調でなにより。

ただカワシオグサは心配で、田んぼの濁りが出る前は川底がきれいでびっくりするくらいだったのが、急激に増加。
1mほどの増水があったけど定着しているようす…。
縄張る鮎とキレイな川底をみて、今年こそ釣れるんじゃなかろうかと鮎の解禁をワクワクしていたところで現実を突きつけられた。

鮎はいるわけで、いろいろと条件は悪くない気がする2025年。
鮎の解禁まで二十日を切ってしまった。

そしてカワウ。
3月末、遡上鮎は随分ときてるのにカワウが来てなくて、むしろ心配しちゃうよね~って話してたんだけど…
そんな心配をよそにグイっと増えてきたカワウ。

数日の間に30羽、80羽、そして4月頭には200羽越え。

やっときたか~ってなんか安心したり。

そんなカワウも僕らの見えないところでしっかりと鮎を食べている野生のいきもの。
朝方2時間ほどカワウ追いをして過ごすのが日課となった遡上期。

カワウ大群との遭遇確率はおおよそ80%といったところ。

4月中旬ごろまでいたカワウが急に不在になって、そしたら上流のねぐらにいっていたらしい。
GWにはいつものねぐらに戻っているけれど、同じ群れかはまだわからない。

最近の研究で那珂川の鮎の漁獲量は「人が94%を占める」ってデータも示された。
カワウはなんと4.5%ほどという。
もちろん僕らが禁漁期間中である鮎の遡上期中(春から初夏)にカワウたちが遡上鮎を捕食する量を含めての話。

ちなみに1羽1日500g食で考えると1羽で遡上鮎5gとして100尾。
200羽だと2万尾。
3~6月解禁までにどれだけの量になるか・・・・

確かに2万尾の鮎ってすごい数。
2万尾の鮎を生産するとしてどれだけお金と労力がかかるか。
天然鮎ではなく、苦労して放流した人工産鮎とすればそのような気持ちになるのは当然。
現在のルール上において必須な放流、その鮎たちを守るための活動はどうしたって必要な活動。
尽力されている方々に感謝するとともに、今こうして魚とりができていることはそのような活動があって漁業権を免許してもらっているからであることは忘れちゃいけない。

確かに2万尾はすごい量だけど、これを差し置いても人のが獲ってるっていうデータ…。

「カワウは敵だ、にくいやつ…」

データで示されると、矛先の向け先がほんとうに正しいのか疑わしい。
カワウの行いを棚に上げ、ヒトの行いには目をつむる…不透明にする…。
ましてや追い払いと称して鮎禁漁期である遡上期に鮎を漁獲してしまうのはやはり納得がいかない。

産卵期の漁獲規制で翌年遡上してくる鮎を最大限増やせるようにすること、カワウが鮎をとっても崩れないような鮎たちをヒトが担保していかないといけない。

色々と考えを巡らせて、最終的にはじゃあ自分は何するか?どう行動するか?という問いに行き着く。
問題を提起して、あーだこーだいうのは誰でもできるし、その先の一歩を踏み出したい。
毎シーズン鮎とカワウを追って見えてきたものがどうその一歩につながるのか、それは正直わからない。
「ただやりたいから」というよりも「やらなきゃいけない」むしろ使命的な位置づけに変化しつつある。

そうはいっても「おもしろさ」「わくわく」という興味が僕を動かしているのは間違いない。

この環境で必死にいきるカワウへの興味は尽きないし、同じものを得ようとする者同士というか…。
人の立場とカワウの立場と、その両方からフェアにとらえることは大事だとやはり思う。

明らかに5年前とは考え方も関わり方も変わったと思う。

繰り返しだけど、だれかに何かをしてもらおうとするんじゃなくて、自分自身がどうしていくか、どう行動していくか。
そこをきちんと考えていきたい。

だからもうすこし別な角度で彼らをみてみたいと思う。


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