ミズナラ流木グリップシリーズ。
【SUISAI】や【AOMIDORI】【Denkyu60W】 そして【MOSS】…
今回は….【ANBAI】
漢字で書く場合は「雲灰」。
「うんばい」ですが「雲」を「あん」と読ませます。
なんともややこしいですが。これは【ANBAI(雲灰)】です。
いちばん右になります。
サイズとしては一番大きく、内径縦28.5cm。
重さは97g。とても軽いです。
グリップがミズナラ流木、フレームが真竹。
裏面にはRiverlineの焼き印を。
シンプルでいて渋い一本に仕上がりました。
表面の最終コーティングはお約束の自家製ニホンミツバチの蜜蝋と、ここ流域産のえごま油を独自ブレンドした蜜蝋ワックスです。
光過ぎない艶感を目標に仕上げました。
表面の凸凹も素材の個性。
泥蜂液(泥蜂の泥巣を焼き砕き、樹脂に溶いたもの)を注入。
那珂川流域環境がうみだす腐食痕。
そして、雲灰の名前の由来になっているのがこの淡水二枚貝。
泥蜂液で包埋しております。
夕立の時のような真っ黒な空に孤独に浮かぶ謎の雲。そんなイメージです。
フレームとグリップのつなぎ目にはおなじみの鹿角を。
さらにフレーム内側には鹿角とグリップを渡すように薄い竹を敷いて、その上にケヤキの樹皮をのせています。
デザインとしての意味と、力がかかってヒビが入りやすい接点を補強する意味があります。
腐食痕にワンポイント二枚貝。泥蜂液にて。
泥蜂、泥蜂言っていますが、ここで念のため過去の記事を。
泥蜂先生です。
裏側。グリップ流木と鹿角接点はシンプルです。自作虫食いは入れていません。
ナラ類の線模様がポイント。凹凸部分から木材が黒ずむ様子は、まさに自然の腐食を物語っています。
グリップエンドには水難のお守りともされる鹿角を。木のヤニが付いた鹿角は鹿の生活を想像させてくれます。
絶妙なカーブと腐食感が気に入っています。
このミズナラであろう流木はどのくらいの年月を生きて、どんな理由で流れ着くに至ったのか。
どんな病に侵されたのか。どんな菌が宿っていたのか。考えてはきりがありませんがおもしろい。
いや、今も生きている木の一部なのかもしれませんよね。だとしたら、どの子だ?
妄想はつきません。
そしてフレーム。竹鱗フレームです。竹表面のいくつかの層をランダムに露出させています。
焼きを加えることで、模様が引き立ちます。
雲灰ではこんなこともしてみました。
欅の皮です。不気味さが増したと思います。
竹そのものが持っていた傷。それは竹が自力で治した様子がうかがえる傷であったり、できて間もない傷であったり。増水の時などに流れてきたガレキなどが擦れて傷ついたものなのでしょう。
そんなフレームの傷になじませることを意識して欅の樹皮をいれてみました。
フレームの内側は微かなマムシ感を焼きで演出。
そしてクレモナ手編みネットは今回…
柿渋泥鉄染めです。
市販の化学染料を使用していません。
ちなみに、2色差をつけてみました。
外側4周分ほどはヨモギ泥染めを一度したのちに柿渋泥鉄染めをした糸です。
若干、彩の感じが違います。
やや黄色っぽく、鉄分多めなのかな?とも思いますが少し工夫してみました。
灰色の雲彩をネットに表現です。
目の幅は13mm。MOSSよりも2mm狭い仕様です。
ANBAI。
いい塩梅にできたと思います。
でももっと工夫できることはあるはず。
2022年も色々と試さねば。
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