HANDMADE WORKS

【MOSS】那珂川水系産ランディングネット

昨年のことになりますが、雨が降った冬のある日。
冬にこんなに水があることにうれしさを感じつつ、雪が降らない切なさをかみしめる。

ただのわかりにくいダジャレですが、そんな頃の夕暮れの川はなんともいい。
山に陽がさえぎられて、川の流れる方向に一直線に光がとおる。

なんとも悲しげな光景ですが、なんかありがとうな感覚になりました。

日中は狩猟のおじさんが仕留めたカワウが家にやってきて観察。
一日中観察したかったですが、そうもいかず、数枚の写真をとりとめました。

シルエットが好きで、かっこいいという印象があったカワウ。
毛の流れや色、目の周り構造。そして足。

ペンギン、そして恐竜だ。
そんなふうに思いました。

とにかく魚をとる、漁るための機能が備わっている体。
やはりカッコよかったのです。

生きるために必死な鳥としてのカワウ。
人間からみた厄介者のカワウとして見ることは、このときもありませんでした。
その生命力の強さというか、なにかこう共感するようなところがあった気がしました。

彼らが常に考えていることはエサのこと。
漁、漁、漁。
遊びで魚は捕ってません…まぁ~たまには遊びもありますが…生きるためです。
そうカワウは言っていました。

魚がいるところにカワウあり。
どこかで追い払えばまた別の魚のいるところへ向かいます…だって死にたくないから。
カワウは言いました。とりすぎたりはしてません。と。

じゃあヒトはどうなんですか?
カワウに聞かれたらどうしよう。

正直言葉に詰まります。

カワウの取り分を減らすことを考える…いや、それならヒトの取り分を減らすこともしなければいけないのではないだろうか。
そんなことをしたらカワウがもっとたくさん那珂川に来ますかね?

そうはいってもね~…というところもありますが、
そんな側面から考えることも、今はとても大切だと思います。

カワウの姿をまじかで見て僕は感じました。

MOSS

やっとMOSSです。
ランディングネット、冬に完成しました。
いくつか完成したランディングネットがあるんですが、それぞれ投稿していきたいと思っています。
今回は【MOSS】です。

そう、コケです。

那珂川流域のじめついた場所を連想させます。
死んだ木の一部が流れて流木に。流れにもまれて腐へと進んでいく工程。

流木がうちあがっていつかコケむす様子…そんなイメージがわくランディングネットです。

形はムンクっぽい縦長ネット。
フレームは流域の真竹です。
内径は縦28cmほどで小渓流なら十分サイズ。

重さは84gとめちゃ軽です。

グリップはナラの類、ミズナラではないかと思っています。
これまでも【SUISAI】や【AOMIDORI】【Denkyu60W】などにも使用してきたグリップ材です。

流域での腐食を受けて、黒ずんだり、へこんだり、不規則な腐食痕。

泥蜂先生の作品も擦って樹脂に混ぜて腐食痕に埋め込んだりしています。

鹿の角をフレームとの接合部に配置して、そこに食い込むように溝を掘って泥蜂液を注入。
そして那珂川流域に棲む純淡水性の二枚貝を埋めこみます。

フレーム内側には鹿角とグリップを渡すように薄い竹を敷いて、その上にケヤキの樹皮をのせました。
デザインとしての意味と、力がかかってヒビが入りやすい接点を補強する意味で施工しました。

こんな淡い光を放つ貝です。見た目は黒くて地味ですが中身はとてもきれい。

こんな感じ。バンブローチでも表現してみました。
雰囲気はでています。

夕方など影が消える時間にみる貝がとても気に入っています。

逆光から。
自然な風合いも残しつつ、できるだけつるつるにしています。

表面の最終コーティングはおなじみ自家製ニホンミツバチの蜜蝋とここ流域産のえごま油を独自ブレンドした蜜蝋ワックス。
時間が経つと少し艶が落ち着きますが、また塗ると艶めきます。

渓で使用したらまた塗りこんで保護します。

ナラの筋。
腐食で色が変化する部分もあり、それでいて流木はシンプル。
焼き印は小さく「Riverline」。自分で彫って作ったこれもオリジナルの焼き印です。

グリップエンドには鹿角を。

木のヤニが染みついています。角断面は黒っぽいぽつぽつがあり、そこを血なのか体液が通っていたのですから生々しい。
竹ヒゴを作って接着し、貝の殻を埋めました。

グリップ側面。
竹皮表面の黒ポチもマッチしてます。

そしてフレーム。
真竹のしなやかさが写真からも感じられます。
思うがままに焼きを入れて、微かなマムシ感を演出。

側面も思いのままに削りをいれて、竹表面のいくつかの層をランダムに露出させました。
竹鱗フレームと読んでいます。

ネットはクレモナ手編みでオリーブ色に。15mm幅です。

那珂川がつまったオリジナルランディングネット。
また一つ完成させることができました。

ネットもいずれは野州麻や結城紬、真岡木綿などの素材を使えるようになったらいいのにな、なんてことも考えています。
最近では、草木染めや泥鉄染めに柿渋染めなども染色に取り入れているので、染色による淡い色もでそうだし、相性もいいのではないのかなと思っています。

いい出会いがあれば試してみたいですね。

次回は…

…悩みます。

ほこりという思い出前のページ

僕らの…それは誰かの次のページ

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