FISHES

虎鱸70ボイルから

那珂川の魚種のうち、関わり合いが結構深い魚。
コクチバス。

写真ではわかりずらいが、虎模様が特徴的。
観察すればするほど、各所きれいな部位がたくさんある。

魚をはじめとする色々な生きものを食べるから、その影響は大きい。

この緑がかった黄金色は日本の川魚に比べると独特。

比較的小さな口はどこかバスというより、アイナメとかメジナとかに近い雰囲気。

鰭ピンの黒々としたボディーは太陽光を浴びるとより一層美しい。
今季初物。

3月の鮎遡上待ち個体。
コンディション抜群。

鮎の遡上時期は鮎を食べるし、オイカワは比較的よく入っている。
ちなみにオイカワを一晩飼うと大量のカワシオグサらしき藻(顕鏡はできてない)が出てくる。

虎鱸は遡上性が高く、上流域まで進出するのを考えると、カワシオグサをオイカワとともに間接的に上流部へ運んでいるかもしれない。

サイのパーマーク…そして那珂グリーン

過去の記事だが、今年は顕微鏡があるからちゃんと解析したいと思う。

というか、そもそも遡上鮎も盛んにハミながら体内を川モードに切り替えるんだから、今の時期の小さなカワシオグサも鮎とともに分布を広げているんだろうな・・・。

脱線したが、

ヨシノボリとかカジカとか、底生性の魚類も多い。

そして虫たちも多い。
小さな蜻蛉類や大きなカワゲラ、ガガンボ、トンボのヤゴ、落ち葉…

モクズガニ幼体まで。

ちなみにナマズの胃内容はこれ。

大きなオイカワ、大きなイモムシ、アブラゼミ。

大きな鮎。
そういえばウナギだと脱皮まもない柔らかな大きなモクズガニも出てきた。

冬場もしっかりと食べて、決して痩せない。
というか春の産卵に向けて秋から食い込んで卵も発達させているのだろう。

産卵床を守るコクチバス。
ぐるぐる360℃廻って警戒中。

ペアリング行動、産卵の瞬間はこの前日に行われていてたのだが撮影できなかったのが悔やまれる。
そういうわずかなチャンスというのは意外にもものにできないもの。
カワウを追っていて思う。偶然の連続で生きているという現実を知る瞬間でもある。
脱線・・・

この時期ルアーにアタックしてくるコクチバスはなぜか♂が多い。
狙っている場所が関係しているとは思うがアグレッシブな魚追いは腹が卵で満たされた♀には厳しいのかもしれない。

それにサイズも大きな個体が多い。
まず40オーバー。

食生活はだいたい想像がついたが、じゃあ成長はどんな感じなのか。

未処理だが顕微鏡で観察してみた。

きれいだ。

しっかりと外鱗まではいったウネウネ。
成長停滞の時期とすると冬場か。

そう仮定するとこのウネウネからすると5歳ほど。
47cm♂。

海と川が繋がった那珂川だから餌は豊富だし、きっと成長がいいのだろう。
47cmで5歳はなんとなくしっくりくるが、どうだろう。

ちょっと耳石でもみてみよう。

みてみるとやはり5歳でいいのかもしれない。

じゃああの秋に見た70(ななまる)はいったい何歳なんだろうか。
10歳くらいだろうか。
いやもうほんとの鱸サイズよ。

アベレージ40だとすれば4歳くらいが比較的よくいるサイズ感だし、世代交代は結構早い。
大回遊するサケで4~5年だから、ずっと川なら死亡リスクも少ないし、それでいて世代交代が速いっていうのは強いなと…新ためて思う。

漁獲したら食す。

うまいのはご存じのとおり。

塩こうじ漬け。

大好評だった。

そして・・・

染めも。

柿渋で処理して某液で媒染。

んん、どうなの・・・。

やりなおそう。

これも、大失敗のバス汁。
土に還す。

そして

処理した虎鱸鱗。

細の鱗とあわせて製作した「衆鱗草」。
今年もまた咲かせたいと思う。

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