AYU

【遡上スピードの懐疑的推定】那珂川の天然遡上アユ(遡上初期編)

2020年3月9日。
那珂川那珂西大橋下流(河口から24km地点)において、天然アユの初遡上を確認しました!!
詳細記事はこちら!!
【速報2020年初】那珂川天然アユ遡上確認!!

初遡上確認の反省

水中カメラに遡上アユを映すのも、ドローンで上空から映すのも…
なかなか難しいものですね…。

堰や段差などアユが一度止まるようなポイントがない場所で…
遡上初期の小さな群れに対しては…特に。
アユを発見できても水中機材の設置場所を一歩間違えれば映らないです。
今回は一度設置した場所から場所替えしたことで、遡上アユをカメラ目の前で収めることができませんでした。判断ミスでした…。

ドローンに関しては、映っていますがアユの密度が低く、キラキラしているのはわかりますが、明瞭には映ってません。

ぜひパソコンかタブレットでご覧になってください。

それにドローンの飛ばし方でアユがびっくりして逃げてしまうこともわかりました。高度の問題もあるかと思いますが工夫が必要そうです。
モクモクと遡上する帯状の群れならば、ドローンに驚いてもあちこち分散しないので空撮しやすいでしょう。
昨年も帯状の群れに何度か遭遇する機会もありましたし、今年こそはドローンで撮影したいものです。

・・・

・・

那珂川天然アユの遡上スピードは?

まさに今の遡上初期。
まだアユが遡上しはじめたばかりで、川自体にアユがまだあまりいない頃。
つまりは、遡上を妨げるような堰や段差にまで行きついておらず、アユが団子状の群れで移動している時期です。
まだ帯状の群れにはなっていないということです。
少しわかりずらいかもしれませんが、高速道路の登り坂が原因で渋滞が起きるように、アユも遡上初期は大小さまざまな団子状の群れで海から遡上してきては堰や段差などで遡上が停滞することで渋滞し、帯状の群れへと変貌していくのです。帯状の群れになってからは、遡上初期の団子状だった時よりも遡上に専念しており、周りのアユに流されるようにあたりに目もくれず、どんどんのぼっていきます。そのため、遡上初期の団子状の群れと帯状の群れとでは遡上スピードが違ってきます。帯状の群れのほうが遡上スピードは早いです。スピードと言っても遡上する瞬間的な速度(cm/s)はあまり変わらないでしょうが、1日あたりの遡上距離(km/日)は帯状の群れのほうが長くなるということです。もはや、スピードとは言わないでしょうが、格好いいのでスピードという表現を今回は使うことにします。

ということで…

今回は「遡上初期」「遡上スピード」に限定して推定を行ってみます。
推定というより、今一般人がみれるデータに基づいて、かなりなんちゃっての…懐疑的推定ですので、まったく参考にはならないでしょうが、興味ある方は遊びと思ってお付き合いください。

まず、

那珂川と久慈川では遡上調査地点の河口からの距離が異なります。
その差は23kmも那珂川のほうが上流になります。
当然のことながら、久慈川のほうが遡上初確認日は一部の例外を除いて那珂川よりも早いです。ここ15年間をみると久慈川のほうが那珂川よりも平均して2~3週間ほど早い傾向なんですね。
すべての結果表のとおりです。

表.那珂川と久慈川の遡上初確認日の差と調査地点の距離の差から推定した那珂川天然アユの遡上スピード

ここで遡上スピードを推定をするために、一つ仮定をします。

久慈川7km地点に遡上アユが来たタイミングに那珂川の7km地点にもアユが来ていた

…というかなり無茶な仮定です。
そうすると…つまりは…
那珂川と久慈川の調査地点の長さの差(23km)をどれだけの時間をかけてきたかを考えれば遡上スピードを出せますので……
23kmを単純に初確認日の差で割れば良いわけです。

結果、遡上スピードの15年平均は…
1.6 km/日

遡上スピードは年々早くなっている!?

那珂川天然アユの遡上スピード

いやいや、どうでしょうね。

那珂川と久慈川の天然アユ遡上初確認日の比較

久慈川の確認日は年変動はあるにしてもあまり昔から変わっていない傾向にみえます。
一方で那珂川は早くなっているような感じがしますね。
遡上が良好に行えるような環境の変化があったのでしょうか。河口から川の淡水域までの間の環境なのか…。
那珂川の感潮域は確か12kmくらいでしたよね。久慈川の遡上調査地点の河口からの距離と大して差はないですし、感潮域を越えてから淡水域までの環境に何か変化があったとも考えられますし……
那珂川の感潮域から那珂川千代橋までの河川環境に変化があり、アユが昔と比べて遡上しやくくなった…遡上スピードが速まった…。

そんなことを考えつつも、これは最初の仮定のもとのお話ですから…
そもそも久慈川よりも遡上開始の時期が早いことだって考えられますね。
那珂川の沿岸の海のほうが久慈川沿岸より餌が豊富で早くに遡上可能な体サイズに達して、久慈川のアユより早く遡上を開始できるようになっているとか…。
妄想は尽きないですね。

最後になりますが…

遡上スピード1.6 km/日として計算した場合……
3月9日に那珂西大橋下流で確認した遡上アユは、そこから6km上流の千代橋に4日も経てばたどり着くことになります。
3月13日(金)のジェイソンが来る日の予定ですね。

そして、那珂西大橋から24km上流(河口から48km地点)の栃木県境へは15日後の3月24日(火)に到着する予定です。

遡上アユの予定に合わせて確認に行ってみたいと思います。

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