6年ほど前から構想を練って温めてきた釉薬開発。
久野陶園での展示会「古より生す」に向けて製作大忙しの激暑な夏。
川は一面のカワシオグサ絨毯とコカナダモベッドにより友釣りが成立しないことをいいことに、集めに集めたカワシオグサとコカナダモ。

僕たち人間が生み出したともいえるこの川藻たち。
迷惑な存在としてではなく、那珂川の大切な恵みとして大事に大事に一つかみ一つかみ。

何日も何日も雨に濡らさぬよう天日に充てて丁寧に、からっからに。

ややくさむけど、いやじゃない。
野性的な香りはまさに今の那珂川のかおり。

カワシオグサもからっからに。

さ~焼きます。

じわりと煙る…

ぼわっ。

あっという間に灰に。

そしてカワシオグサ。

いぶったく、なかなか火が回らない…

時間はかかりましたが、なんとか灰に。

頑張って集めて焼いてこれだけ。

なかなか手間がかかる…

コカナダモ灰を乳鉢で粉に。

美しいくすんだ黒に。

カワシオグサ。
乳鉢ですると結構じゃりじゃり。どうやら硬い塊になる部分もあるようで…。

何とか粉に。
鴇愚版の小圷さんとの二人展会期中、展示していた泥蜂先生との共作「土熊」がきっかけとなって、久野陶園のいとうさんが川藻釉薬の可能性について検証くださることに。

いやほんと、あれもこれもご縁が見事につながって…

250年という歴史ある久野陶園。益子よりもその歴史は長い。

道具もなにもかもが深い。

土間。

小さなさりげない椅子はかつての職人さんが製作の合間に作ったというもの。

そんなぐっとくる久野陶園で。

那珂川の川粘土と川藻を焼いてもらう。
結果
どちらも釉薬となる。
まずはコカナダモ。

白というか橙が交じったクリーム色が特徴的。

すげー。

カワシオグサ。

めっちゃいい。

なんだこれ、ほんといい。
これが那珂川の彩。
川藻の彩。
土台は那珂川の川粘土なのでやや耐火温度が低いことも判明。
益子で以前仕入れた耐火粘土と調合して器を作ることに。
12月20日~22日、久野陶園にて「登り窯公開窯焚き」が行われます。
自分の器を登り窯で焼くことができる!
応募するしかない!

ということで、いくつか茶碗を成形。

なんとか満足する形に。

乾くか?
間に合うか?
十分乾燥したら素焼きしていよいよ川藻釉薬をかけて…
さらに乾燥させて。
いやほんと間に合うか…。
なんとか間に合わせたい。
つづく。
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