すっかり田んぼの稲も穂がたれてきた8月。
ここ那珂川流域の里山環境にひっそりと生きるもの。
ご存じ、タガメさま。
今回、「Pike Street Market」のShota Jenkins Konnoさんと2人っきりでタガメワークショップを開催。
まだ、栃木ではタガメを見たことがないというジェンサン。
というか、この日に初めてお会いして、タガメとり。
熱いおっさん2人がいきなり会っていきなりタガメをとる夏…
そんな熱い夏はこの世の中にそうはない。
カエルがいて…
ドジョウがいる。
タガメの餌環境も好条件。
そして水草や浮草、陸生の植物の被覆などが隠れ家として機能している。
ジェンサンがくる日までに、様々なステージの幼体を観察。
十分な太陽光のなかで観察するとこんなにも鮮やかな幼いタガメ。
主役はそろっている。
ジェンサンとのワークショップ、これは喜んでいただけるに違いない。
そう確信しておりました。
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ジェンサンがくる
まるで、「ジェイソンがくる」
みたいな感じになってしまって恐縮ですが、いきなり会っていきなり始まったタガメとり…
はじまってしばらく観察するものの、なかなか登場してくれない役者たち。
タガメ達はタガメ達でしっかりと擬態し、本来の姿を最大限に表現したとのこと(ワークショップ反省会談)。
まさに役者。
自然界の厳しさを見せつけてきたわけですね。
っと…見つからないタガメ。
暑さとアブに悩まされながらも、兆しが。
稲と稲の間にじっとしている本丸を発見。ジェンサンが丁寧に網をいれると….
受け身な本丸。
そう、「ぬけがら」。
成体になった時に脱ぎ捨てたものでした。まるで生きている本体のような佇まいのぬけがら。脱皮直後の本体はやわらかく、デリケートな状態。つまり、忍者でいうところの、身代わりの術、影分身的な役割をこのぬけがらは果たしたのではないでしょうか。
ま~このぬけがらだけでもお見せできたら、ん~ま~よしとするか…的なことを考えていいた数分後…
…
宮城県は鬼首温泉の間欠泉が…
温水を突如として激しく吹き上げるかのように…
…そう…
「タガメ成体発見の雄叫び」を発したのでした。
夜な夜なタガメ徘徊のご経験と全国行脚での実績をもとに、ジェンサンが考察してくださったここに棲むタガメ達の行動パタンや生活様式。
僕自身では想像しえなかったタガメのライフスタイルをしっかりとイメージさせてくださったジェンサン。
ここの毛すごくないですか?
ここなんですか?胸毛はいてますよ、腕毛もすごい…。
羽根、極うすっすねっ!
堅そうで柔らかいし、羽根のレイヤーがもう…
羽根にも毛あんですかね?
ここの形、色彩、質感…ん~風合い?なのか…素敵。
この腕の付け根の構造すごっ!
動きがヤバっ、可動範囲が広っ!速っ!
きれいですよね~、かっこいい~、ここみてみて~。
観察してはコメントして、写真をとってと、興奮したジェンサンと僕。
傍からみたら、とにかく怪しい汗だくのおっさん2人。
小学生のころのように…
純粋にいきものに触れるワクワクや美しさ尊さを共感できる人に出会ってしまった。
魚たちに欠かせない水。
ここ里山の水も魚たちの環境を構築する源のひとつ。
そこで暮らす生きものたちは、つまりは水を介して出会ったことのない魚たちと関わっている。
当たり前のことかもしれませんが、そんな感覚も共有できたような気がしました。
ジェンサンと2人開催タガメワークショップ。
おっさんの夏は熱かった。
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