那珂川水系の古民家。
今は取り壊されてしまっていますが、築100年は超えていたとされる母の家。
かつてはむぎわら屋根で母が幼いときは私の知る出桁造りの家になっていたようです。
その古民家が取り壊されたときに出た廃材。
出桁造りの垂木。
その垂木をたくさんもらってきて、テーブルや椅子などに活用していました。
随分と年輪が細かい木で、この年輪をみるたんびに…
鱒にしたいな~。
ランディングネットのグリップにしたいな~。
っと思っていました。
みるたんびというか毎日です。
そこでようやく、手を加えることに。
切り出して…
まずは鱒を彫ってみました。
意外に削りづらく…
でもなんとか…
垂木の表面は、長い年月、那珂川水系の空気に触れ、十分に乾燥した木です。
また、母や祖父たちの日々の暮らしを上からずっと覗いてきた木でもあります。
どのような景色だったのか…
かってな想像をすると、なんだかジンとくるものがあります。
古民家の解体ででた廃材。
されど、那珂川水系の空気を吸っては吐いてと長年繰り返し、人を見守ってきた材。
想像のつかないストーリーがこの材にはきっと含まれているんだろうなと思うと、とても趣深く、尊い。
これはそう…「思出鱒」。
表面は経年変化で黒づんだ渋い色合いですが、中はピンク色。
ヤマザクラでしょうか。
この自然な風合いを活かした思出鱒もよいですが、
今度は自分の手で何かをこの垂木に加えたい…。
今年の秋に作っておいた柿渋。
しばらく存在を忘れていて、今日ようやく様子を見てみると…
よしとしよう。
ビンづめして。
けっこういい色です。
さっそく実験的に垂木の破片に柿渋を塗ってみました。
そしてさらに、この二種類の「Riverline水」。
1年かけて熟成させたもの。
こちらを柿渋を塗った材の一部に試験的にぬってみました。
イイ感じにくろ~くなりました。
2種のRiverline水はそれぞれ黒の濃さが違いました。
使い分けできそうです。
クリも試してみましたが、やはりよく染まりました。
こんな感じで、思出鱒に僕の思いも加えてみたいと思います。
次の工程が楽しみでしかたないです。
完成したらアップします!
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