3月18日…
栃木県茂木町の那珂川において天然アユの遡上を映像に収めることができたのですが(18日の記事【過去最速】那珂川天然遡上アユが栃木県茂木町へやってきた!!)……
やはり、映像がきれいでないので…もっと良い映像を届けたい…
そして、亡くなった祖母が家にいるうちに、今年のアユ遡上映像をカメラにおさめて、家族とともにテレビ上映したい。
ということで…
撮影のラストチャンスである19日…
18日撮影した場所にカメラを据えて、再び那珂川の天然遡上アユの撮影に挑みました。
カメラ設置場所は川を利用する方々に極力迷惑をかけぬよう、川までのルートが私有地となっており入川者が限定される場所を選び、さらに入川者にすぐに撮影が気づいてもられるように機材に名前と張り紙をしました。
また、18日の映像では、アユの群れが映ったものの、やや遠くて、しかもレンズの曇りも発生していたので、設置のマクロな位置調整と曇り対策、それからGoproによる撮影も併せて行いました。
ラストチャンス…アユは映っていなかった
およそ5時間半の水中映像を持ち帰って確認…
映っていたのは…最初から最後までみて、投網がうたれる水中映像のみ。
当然、遡上アユは通過できません。
本当に…
本当に……
残念で…
…胸が痛みました。
……
…
そして、翌日20日の下野新聞。
1尾の天然アユ…公式確認…。
その場を不在にしてしまったことが悔やまれます。
しかし、公式に天然遡上アユが確認されて、アユを愛する釣り人、流域の方々、那珂川が盛り上がったことでしょう。
それならよいのです。
僕は僕でこれに懲りずに、ライフワークとして地道に観測を続けていきたいと思います…
那珂川水系に生まれた者として。
そんなことで祖母には納得のいくアユを見せてはあげられませんでしたが…
今日の葬儀が終わるまでの祖母との最期の時間、家族と過去の思い出を語りながら、写真の整理など式に向けた準備、そして那珂川の様子を知ることができました。
家のまわりには、まだ祖母の雰囲気。
この場所がある以上、いつも思い出されます。
あのへんでミツバをよくとってくれたっけ。
花が大好きだった祖母。ばーちゃん。
ばーちゃんの通り道。
アユの通り道…定点カメラによる遡上アユの観測
悲しんでばかりもいられません。
これまで、素人ながらビデオカメラや水中カメラで那珂川の遡上アユを追ってきたわけですが、一つわかったことがあります。
それは…
遡上アユはビデオ映像で十分に遡上群の大きさや、量、数を観測できる。
ということです。
水中映像の場合…
アユが遡上する場所は川の岸際で…場所によっては川の流れ方、石の入り方などで、岸際の極めて狭い範囲に限定されます。
ですので、水中カメラを使った遡上観測でも十分にアユの遡上状況を把握できると思います。
今回の虎舞竜でカメラの映像は投網調査の結果を十分に反映していることもわかりました。むしろ、カメラのほうが正確な状況を把握できる可能性があると思います。ただし、出水やごみの引っ掛かりなどで、ロストする可能性もありますし、今回のように入川者とのバッティングも考えられます。
陸上映像の場合…
橋の上から真下の川を覗くと…光の反射を気にせず、水中の様子がクリアーに見えます。遡上場所が岸よりの浅場に限定されるので、ビデオカメラで橋上から群れを広範囲に撮影・観測することが可能と思います。
例えば、栃木県境の新那珂川橋は定点カメラを使った観測地点に向いていると思います。もちろん、茨城県の小場江堰なんかも魚道が機能しているときであれば観測可能でしょう。
撮影された映像はリアルタイムでデスクから確認できるでしょうし、群れのカウントなども機械学習で可能ではないでしょうか。
川をよく知る先輩方の川見のノウハウを若手に継承することも大切なことではありますが、なかなか機会がないですし、時間も必要です。
それに、生き物の観察は、教えられて覚えられるものだけではありません。
那珂川のアユのために
将来の那珂川、そしてアユ…
ずっと先の時代にアユは果たしているのでしょうか。
いてほしい。万が一いなくなっていたとしても、しっかりと存在していたころのデータがあれば復活の手がかり…もしくは復活目標になりえる…かもしれません。
難しいことは抜きにして、過去の詳細な記録というのはほとんどない。というのが現状ではないでしょうか。今できる最も簡単なことは、現状をきちんと正確に把握して記録に残しておくこと。
那珂川のアユの遡上状況はまさにそうじゃないでしょうか。
今年3月14日には那珂川の支流荒川(那須烏山市大金)のヤマメ釣り大会で稚アユが混獲されたとの情報もあったようです。30年ほど前は、お彼岸に栃木県の八溝大橋や荒川森田周辺でも遡上アユが観察されていたといいます。貴重な情報です。ぜひ写真や映像とともに記録として残しておくべきものと思います。
記憶ではなく、形に残る記録。
…テクノロジーの進歩とともに観測方法を見直し、より詳細な情報を後世に残す取り組みを始めるときに来ているのかもしれません。
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