FISHES

深海性サケ科魚類の存在【妄想進化論】

淡水起源との説が有力とされているサケ科魚類。
5500万年ぐらい前には現在のサケ属がサケのご先祖さまらから分化したという。
恐竜が絶滅して1000万年ほど後のことである。

現存するイトウ属やイワナ属は川と海とを何度も行き来し、複数年に渡って河川で産卵する原始的な種類。基点は川にあるが海をもものにする…極めて順応的。
この生活史がサケ科魚類の先祖たらしめるもの。
河川生活にかける時間が長いのが特徴である。
ちなみに、中禅寺湖のレイクトラウトはこのイトウのご先祖さまから最初に分化したイワナ属で淡水専属種。

そして、イトウ、イワナの仲間からタイセイヨウサケ属が生まれ、さらに分化したのがサクラマスやシロザケ、ベニザケなどを含むサケ属。
サクラマスはサケ属の中でも原始的で、ご存知の通り、孵化後1年から1年半ほどを川で過ごし、海洋生活期間はわずか数ヶ月のものから1年数 ヶ 月のものまでみられるという極めて生活史にバリエーションをもった順応性に長けた種である。
一方、シロザケやベニザケは孵化して半年ほどで海へ降り、海洋生活期間も数年と長い。生活史のバリエーションはもはやない。

原始的でない、つまり進化がすすんだ種ほど海への依存度が高く、その生活史パターンに揺るぎがない。

まさに、サケ科魚類は海へと生活の場を拡大している最中である。
いずれ、繁殖までも海へと移すだろう。

いや、

いずれではない、もう存在している。

・・・

こんな顔の

こんなやつが、深海にいる・・・寒気がする。

形態的特徴

全長40~80㎝。顔はサメにも似るがサケ科魚類の面影を残す。鼻先は深い黒色を呈し、サケのそれとは異なる伸長具合。味覚センサーを備える。
歯は極めて鋭く、黒く、そして艶やか。
目は黒く窪み、艶はない。
体表は腹側に鱗が少し残る程度であとは無鱗。
筋肉の筋が浮き立つ。腹から背中にかけて赤黒い模様が走る。
柔らかい肌触り。
背中側は白く半透明。わずかな光を集め暗闇にまるで幽霊のように漂い泳ぐ。

発光器・美しき背鰭

下顎、胸鰭、腹鰭、臀鰭、脂鰭、尾鰭、そして背鰭には集魚用の発光器を持つ。
発光器の近くには鰭の軟条が発達してできた髭のような軟らかくも腰のあるセンサーが流れるように生える(以下、髭センサー)。発光器に寄せられた獲物はその髭センサーに触れられたら最期、口元までゆっくりと誘導され、捕食される。

背鰭は極めてユニーク。まさにヤマメのパーマーク。
一見黒い、しかし光をわずかに当てると七色に輝く。
繁殖期、メスを獲得する際、背鰭を振り立たし、パーマークと髭センサー、そして先端の丸い発光器を最大限に使って踊るようにアピールする。
このパーマークはメスにはない。
背鰭先端の丸い発光器は、アンコウの提灯のように鼻先で揺らし獲物を狙うのに使う。

分布域

日本の太平洋側から北太平洋、ベーリング海、アラスカ沖の深海1500m以深に生息。本種の採捕事例は各地であるものの、生体が得られているのはここ日本のみ。
また、地域によって形態的特徴に差があることが報告されており、遺伝的な分化が起きているものと推察される。
これまでに少なくとも4種以上が存在すると専門家の間では言われている。

回遊性

本種は分類学上、サケ科魚類に位置づけられるが、河川淡水域で産卵を行わないことで、既知のサケ科魚類とは大きく異なる。
彼らは、日本近海のプレートとプレートの境界で繁殖ペアを作り、太平洋側沿岸の浅海へと一気に移動。そこから河川が流れ込む河口域において産卵する。詳しいことはまだわかっていないが、秋に浮遊性の卵が採集されている。
仔稚魚期は沿岸の浅海で過ごし、徐々に深海へと生息場を移すと言われている。

・・・・・

Oncorhynchus inokesonamasou

そう、本種の学名である。
まだまだわからないことが多い。

さらなる研究の成果が待たれる。

・・・・

・・・

・・

(あとがき)学生時代の実験を思い出し、久しぶりに魚を描きました。 学生時代は点描を打つのがとても速い同期がいて、とても驚いたものです。 ボールペンですが懐かしい点描。点描を混ぜて描くと誰でもそれっぽく書けるものです。

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