AYU

ゆらゆらと生死まじりあう

10月中にずいぶんとまとまった産卵があったようだが、小鮎たちはどうしているだろうか…。
11月上旬、じっくりと時間を作って観察にきた。

遠くから鳥たち伝いに川のにぎわいがきこえてくる。

超、超、超、超渇水♪

超、超、超、超、超渇水♪

秋だ、産卵だ。

流れが走る場所には産卵のようすがない。

10~20cmほどの様々なサイズの鮎。

今にも息絶えようとしている。

目は一点を見つめ、おそらくはまだ水の中を泳いでいるような感覚でいるに違いない。

トビについばまれたか…

頭だけを捕食され横たわる。

つままれて間もない。

空気中にふれる皮膚は黒い。
冷水病の穴あきが痛々しい。

小さな魚体。
そのすべてを出し切った。

爪あとか?
すでに次の命へと繋がっている。

死のようすはそれぞれ。

20cm近い個体。
一つ上の瀬にどうやら瀬場があるようだ。

鰭はピンと硬直し、産卵のそのときの姿そのもの。

黄金色。

死してなお輝きを放つ。

これからどんどんと増えてくるであろう小鮎たち。

まだ11月上旬。

2023年のときのような光景はあと1~2週間あとだろう。

2023年のゆらゆら帯でのようす。

【妄想生態】それは陸封以前からもちえたもの

今思い出しても興奮する産卵だった。

岸際の微な流れが効いたゆらゆら帯。

そこは弱った鮎の最期の空間であり、併せて小鮎の産卵空間でもある。
死と生の混じりあう空間。

まるで琵琶湖のような波打ち際。

午後になると続々と水しぶきがあがった。
下流の淵から小鮎たちが押し寄せて産卵しているようだ。

点々と小さな鮎たちが懸命に掘った産卵床。

手の平サイズの狭小空間。

これだけの石を動かす力。
人のサイズにしてみたら、いったいどれほどの力なのだろうか。

やはり新鮮でこういった生の光景が僕の原動力。

小さな窪みで3ペアがかわるがわる連続して産卵する。
縦にも横にも…。
筋肉の一細胞も無駄にすることなく躍動する。
産むことをやめない。

空気中から見る産卵の様子からは想像できない水の中の世界。
荒々しくも美しく、気に満ち溢れた世界だった。

川鵜もこのときばかりは何度も何度も戻ってきては鮎を追う。

冬に備えて、そして来たる春の繁殖期に向けて食い込む。

たくさんの鷺も…。

並んで狩り。
頻繁に鮎をついばむ。

狩りを終えたトビたち。
また明日な、と鮎をまつ。

命のおわりと、はじまり。

そのリアルを感じずにはいられない。
そんな時間だった。

そして気になる生活史。
産卵を終えた小さな鮎たちを今年もいただくことができた。
この子達はいったいいつ生まれた個体なのか、調べてみたいと思う。

それと、2023年のこの小鮎産卵個体と翌年2024年の遡上個体とがむすびついた。
夏遡上鮎の耳石解析結果はまた改めて綴っていきたいと思う。

2025年のあゆる鮎は2024年同様に8月上旬にあった。
例年より3週間ほど早く、今年は昨年より早かった。

2026年の遡上もおそらく早くからあることが想像できる。
そちらも追っていきたいと思う。

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