最高気温20℃を越え、汗でじめついた足回りや脇下では蒸かした大豆が納豆化しそう。
そんな春に僕はこの町で、いったい何をしているのだろう。
とあるレミオロメンな日に、とある方に「茂木出身なのに全然訛ってないね」なんて言われまして、その時は「そうなんですよ!高校卒業して町を出たんで!」なんて張り切っていったものの…
しばらくしてどこか胸苦しさを覚えました。
花粉の飛散が悲惨なほどで、花粉症を発症していない僕でも目や鼻に異常をきたしていて、きっとそのせいだろうとも思ったんですが、どうやら違ったことが、先ほどお風呂でわかりました。
近頃は家に帰るとちびっ子たちはすでにお風呂を済ませていて、ぬるまった湯にはアンパンマンが浮いています。僕はこのアンパンマンをいじりながら「それいけアンパンマン」を無意識に口ずさんでいます。
そんな入浴中にはきまって一日の振り返りがなされるのですが、時は岩手県沿岸での生活にタイムスリップ。
そこで春にしていた三陸わかめの加工のお仕事。
ひたすらに湯どおしされて流れてくる超ロングな三陸わかめをかまして(かきまぜて)いた時のこと、ズーズー弁で有名なあの三陸のおばちゃまに言われた一言を思い出しました。
「あんちゃん、ずぃぶんとおなまってるけんども、生まれはどこなの?」
正確なイントネーションは難しすぎて思い出せない…けれども
それほどに訛りのきつい土地の方に、そういわせたことに、むしろ、ほこりさえ感じたのでした。
地元の中でも訛っていると感じることも多く、決してその訛りを残念に思ったことはありません。
僕の特徴なのか個性なのか、もうそんな高領域にまで達していた訛りというものを僕はついに…
欠いてしまった…。
いったい僕はこの町で、何をしているのだろう…
その胸苦しさはまぎれもなく、自分を失った、さみしさだったのでした。
そんな春に僕はとある挑戦をしたのでした。
じるいじる季節かんじる
そうなんです。じるです。汁いじりです。
ただ、こんなにもきれいーな黄色はなかなかないですよね?
ちなみに左はヒサカキの実を熟成させたもので、たぶん発酵していると思います。
ワインができそうなブドウな感じの香りがきつい汁です。
ランディングネットの染色にと色々と実験中なのですが、当初のヒサカキの実の青色はなくなってしまいましたが、どんな色に染まるかが、とても楽しみです。
そして黄色い汁の方。
おそらく世界で初めてではなかろうかと思います。調べてはいませんが、おそらく。
これは刈り取った竹の表面を洗った際にでた垢です。
こすっているとやけに黄色くて、洗っているうちに捨てるのが惜しくなって・・・・
気づいたら絞って採取してました。
おそらくはここ那珂川流域の竹林に存在するカビやチリなどかなと想像してます。
竹表面にはコケのようなものも張っていますし、竹自体も黄色くなっているものもあります。
そして黄色い汁を丁寧にしぼったあとに出て来たのが・・・・
こちら。
まさに流域のあらゆる生き物の集合体。
竹羅万象。
おそらく、この工程を経て、この玉を得たものは他に…いないのではなかろうか…。
まさにこれは、
「世界に一つだけの玉」(TSMAP(つまっぷ))
濾したあとの布はこんな感じですがそもそも布が黄色いのでなんとも染め感は不明ですが、玉はそうですね、酵母にもできそうですが、僕はあれに使いたいと思います。
それはできたあとのお楽しみということで。
過去のじるいじる記事はこちらです。よかったら合わせてどうぞ。
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