AYU

雨と鵜と…いま

5月下旬のこと。
僕の観察の眼差しは鮎から鵜へ。

那珂川の鵜。

こうして鵜の飛ぶ姿を目撃することはあるものの…

それとは違ったところから鵜を観察したくて…

しばらくの期間、鮎の動きを追いつつも朝、昼、夕と鵜の行動を見回りました。

その「見たい」のチャンスは突如として訪れたものの、実を結ばす。
でも、あきらめているところに、突如として別の姿で現れたりする…。

雨降る夕暮れ、無性に…川に引き寄せられるかのように…。

そこにはじっとり佇む…一羽の鵜。

鵜というのはなんともこう…あれですね。

はじめはいったい何なのか、不思議な物体に驚きました。
すぐに鵜だとはわかりましたが、あまりにも僕には気づかないので、体調でも悪いのか?と心配になりました。

近くで鵜を見たい、その想いが通じたのか、突如として現れた鵜はあまりにも無防備。

2週間ほどでしょうか、毎日僕のところで寝泊まり。

あくびをしたり。

警戒したり。
夜はあまり目が効かないのかな。いや、どうだろう。

鵜が僕にくれた時間。

羽の艶感や…

首の動かし方。
寝入るまでの行動。
これはとにかく興味深かったし、理にかなった方法でした。

僕の存在を疑ってはいるものの気づけないでこっちをみている正面からの鵜。

もう、頭や動きはティラノサウルスにしかみえません。

立場によって鵜に対する考え方は人それぞれですが、それはそれとして、よいわるいでもない。
人との関りの長い歴史もある。

単に生き物として愛でるというのではなく、様々な角度から僕は僕として感じていきたいなと改めて思った次第です。

彼らは彼らで今の那珂川をいきている。

夕暮の雨降る川のにおい。
雨を喜び跳ぶ鮎と、それをゆるりと眺める一羽の鵜。

そこに僕らのもつ「欲」のようなものは一切感じられませんでした。

おんこくさいの野冒前のページ

水わすら…川のにおい次のページ

ピックアップ記事

  1. 【速報】那珂川天然遡上アユ初確認!!

  2. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息するサクラマスの生活史

  3. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息する戻りヤマメについて

関連記事

  1. AYU

    夕暮れの那珂川にのまれる鮎

    2020年、秋の那珂川では鮎が産卵しておりました。夕暮れの那珂川の…モ…

  2. AYU

    カワウ入り浸りが引き起こす~カワ負スパイラル~

    カワウ、カワウ、カワウ、、、、。https://river…

  3. AYU

    鮎の密漁期間、那珂川時間と疎外感

    まだ暗いうちに家を出て、那珂川へと向かう。魚が休んでいるであろうその…

  4. AYU

    鮎よさげなかんじ

    増水後の淵には決まって遡上鮎がたまっております。ステ…

  5. FISHES

    ジヤマメを探しに

    かっさかさな地に雨が降って、少しばかり潤ったここ那珂川流域には…トロ…

  6. AYU

    1000万回遡上した鮎

    冷たい春風が川の水音を運んでくる。鮎が遡上する変化点にしっか…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. FISHES

    サクラマスの産卵場を探しに2021
  2. AYU

    川をきる
  3. AYU

    もう十分、鮎見守る勇気
  4. ACCESSORY

    那珂川水系泥いじり~陶魚製作~
  5. THE OTHERS

    ヤマメからのコクチバス
PAGE TOP