展示会に向けてと、系列の某K美容院にて頭を仕立ててもらったのが7月のおわり。
かれこれ30年弱ぶりに太陽光を浴びた襟足。
小学時のスポーツ刈り以来と記憶する(スポーツ刈り自体この一度きり)。
朝起きてもびしっときまり、帽子をかぶって脱いでも手櫛できまる。
びしっとぞっと。
10月に迫る展示会であと一週間というタイミング。
朝8時ごろ電話があって一瞬目の前が真っ白に。
まるでアスリートのように作り上げていた体と気持ち、そして作品…
「す~っ」と音がして頭の上から抜けていった何かを感じた土曜日の朝だったのは、きっとこの先も忘れることはないだろう。
展示会を一緒にやろうと誘ってくれて、でも寸前で「やっぱり一緒にやりたくない」って…
そう言われるんかと恐る恐る出た電話。
延期が決定した。
あの「す~っ」はいったい何だったのか。
それからおそらく一週間くらいは不眠状態が続いて、浅い眠りで恐ろしい夢を連日みた。
電球色がまぶしい上海の街並みの2階の一室で、「ライブスタジオおさえといたかんね」と小圷さん。
金田一少年の事件簿上海魚人伝説のワンシーンのようだった(この映画は見てないが)。
いったい何のライブなのか。
展示会を控える今、また小圷さんといったい何のライブをするのか。
僕はギターならできると思うが、いったい何の曲をやろうか。小圷さんは楽器か、それとも歌か…。
そんな混沌とした恐ろしい夢でうなされた。
その夢の甲斐あってか、
クローゼットから久々にエレキとアンプとエフェクターを繋いで弦をはじくこととなった。
弾けなくなっていた…。
ライラック。
出だしの2秒もままならない。
延期になったとはいえ、展示会までそう時間はないなかで、エレキギターを再燃させてしまうという現実。
あの「す~っ」はいったい何だったのか。
そんな夢と現実を乗り越えて、すべてがびしっとぞっとしてくるからおもしろい。
「深めてください」
延期が決まった時にもらった言葉。
その言葉を大切に何度も何度も思い返しながら製作した延期間。
結果的に、そこから1カ月の延期間があったからこそできた作品があって…
少し気持ちが悪かった部分に十分に手を入れることもできた。
それもなにより、ほとんどの作品がこの展示会があったからこそ形にできたもの。
びっしっとぞっと。
そんな瞬間。
無事「古より生す」を開催できました。
終わってみれば、あれはライブだったんだなと。
じわじわと、びしっとぞっとしてきた。
ご縁をつないでくれたみんなに心から感謝。
お越しくださったみなさんに心から感謝。
思い返せば、これまでのすべてがびしっとぞっとの連続じゃないか。
その上に今があるということ。
川の生きものたちの営みもそうだろう。
必ずびしっとぞっとしてくる。
製作中の気づきやふとした思い付きも。
すぐに手を動かして試す…。
やっぱりびしっとぞっとしてくる。
最高のデスクライトとの出逢いも。
びしっとぞっと。
しつこいようだけど。
全てはびしっとぞっとである。
そう決まってる。
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