FISHES

【MUD UNEARCH】那珂川水系産ランディングネット

那珂川水系産の流木をグリップに…
フレームを竹で作ったランディングネット

【MUD UNEARCH】

泥のようにウネウネした流木模様から…

「マッドウネーチ」と名付けました。
オイル浸透前は青緑の泥のような色も見られました。
本流ヤマメや短期降海型サクラマス、戻りヤマメなどの中型魚を想定したサイズです。もちろん、アマゴ、サツキマス、イワナでも。

ほら、ウネウネしてますよね。ちょうどウネウネの変化点です。
色も違うのがわかるかと思います。

下のほうは縦のウネウネ。上のほうは横方向のウネウネ。
下の写真は、グルグルですね。グルグルが層になってます。

凸レーション

流木の凹凸やフレーム、グリップの接合部には鹿角、淡水二枚貝の殻、土器粉(自作)、そしてメノウを装飾しました。
凸レーションのことについての詳細は下の記事になります。

凹に凸るのが僕のランディングネットなり

メノウ

少々わかりずらいですが…
鹿角とグリップの接合部に土器粉で埋めてある橙透明のものがメノウです。

この那珂川水系はかつてメノウの産地の一つ。那珂川の名前の由来にも関係すると考えているメノウ。火打石です。
メノウはこちらの過去の記事をご参照ください。

「那珂川」の由来を考える【妄想考古学】

ちょいと画質が悪いですがメノウはこんな感じで入ってます。
別な流木ランディングネットでは流木の穴にメノウを埋めこんで太陽光でオレンジ色に透けてひかるダイナミックなデザインのものを予定しているものもあります。

土器粉

土器粉は前回の【DENKYU】でもご紹介しましたが水系の粘土を焼き上げてできた土器(ガラス状の自然釉を含む)を砕いて粉にしたものです。

【DENKYU】那珂川水系産ランディングネット

自然の姿を最大限に生かして手を加える、すべてが溶け合うような、自然に近いもの、不自然でない形や色、バランスを意識してつくりました。

自然のもので自然なものを、これがテーマです。

オイル

浸透性オイル塗装後、自家製ニホンミツバチの蜜蝋と栃木県茂木町産のエゴマ油をブレンドしたオリジナル蜜蝋ワックスで磨き上げました。

つるつるに。
ウネウネはここにもあり。

裏面はカオス?…

つづいて裏面へ…

裏面は二枚貝が…
相変わらずのウネウネ
ウネウネ…淡水二枚貝…鹿角…土器粉…

淡水二枚貝の真珠層

虹色に和かくひかる…
さりげなくひかる…

CHAOS

鹿角…メノウ…二枚貝…自作虫食いと土器粉…カオス?

過去製作のランディングネットに【CHAOS】というものがありました。

那珂川水系原産ランディングネット「Chaos」~潮時はいつぞや~

こちらは、数々の装飾、工夫を凝らし、色々と試した結果…
どんどんと形がなくなり…
最終的にはものになりませんでした…
確かにこのランディングネットはカオスだったと思います。

そのカオスを乗り越えての今、【MUD UNEARCH】でのカオスです。
カオスと言いながら、自分の中では鹿角…メノウ…二枚貝…土器粉…みんなが調和しているように感じているんですがいかがでしょうか。

自作虫食いも凸レーションにはよく登場するのですが、この雰囲気はまだまだ研究中です。色々な虫食いなど、自然界で起こっている腐食といった工程を観察して研ぎ澄ませなければならないなと感じております。

竹フレーム

内面はVの字構造。頂点にネットの取り付け穴があります。

こちらの竹は孟宗竹です。
古竹でご先祖さまが農業用に切り出しストックしていたもの。
半屋外の納屋の屋根裏にぶら下がっていたもので、那珂川水系の四季の空気、露、風などを長い間経験してきた材です。

表面は竹鱗模様としています。

竹鱗。
竹表面に鱗模様をつけています。ネットの固定は黒テグスを使用し、竹本来の風合いを強調。
穴を小さくすることでフレームの強度を高めました。

竹鱗フレームの詳細は下の過去記事からどうぞ。

那珂川水系原産ランディングネット「VINE」~竹鱗フレーム~

古竹なので虫食い痕やヒビも入っているところもありますが、土器粉+硬化樹脂にて封処理しています。使用後は水を十分にふき取り、陰干し乾燥。オリジナル蜜蝋ワックスで拭き上げる。といったメンテナンスが必要になります。
こちらはわずかなヒビとそこに入り込んで増えた菌の痕と思われます。
月日の経過とともに自然環境のなかで起こる死から生への循環の始まりなのだろうなと、ふと感じさせられます。自然の素材というのはやはり味わい深いです。

ちなみに竹と菌のことについて書いた【SHOOT】というランディングネットの記事がこちらです。
菌模様がすごいランディングネットです。

那珂川水系原産ランディングネット「Shoot」~川沿いの竹林が生み出す怪軌線~

まだ製作中ですがこちらもご期待ください。

186g

フレームは1枚の竹でできており、若干のしなり・ねばりがあるのが特徴です。
そのため、魚をネットに入れた状態で空中に持ち上げる、持ち運ぶなど負荷のかかる動作はフレームまたはグリップとの接合部の破損につながってしまいます。
銘木を何層にも重ねたフレームに比べて強靭性は落ちるかと思いますが、その分、とても軽いという特徴があります。

【MUD UNEARCH】は本流ヤマメや短期降海型サクラマス、戻りヤマメなどの中型魚を想定したサイズで…
全長:61 ㎝ 内径:(縦42 ㎝、横26 ㎝)

ただし、重さは…
184 g

比較的軽いです。

手編みネット

クレモナ4号 オリーブグリーン 手編み(14~15mm網目)
深さは54cmほどです。

深め、目は細かい設定です。

<大きさ(参考まとめ)>

本流ヤマメや短期降海型サクラマス、戻りヤマメなどの中型魚を想定したサイズ
全長:61 ㎝ 内径:(縦42 ㎝、横26 ㎝)
重さ:184 g

フレーム:孟宗竹
グリップ:流木
装  飾:鹿角、淡水二枚貝、メノウ、自作土器粉
ネ ッ ト:クレモナ オリーブグリーン 手編み
ネット深:54 ㎝(14~15mm網目)

RiverlineのRLのロゴ。焼印も自作です。

那珂川水系の素材にこだわっています。

自分自身が好きなもの、それをとことん使っています。

こんなランディングネットばかり作っていきます。

【MUD UNEARCH】

使ってみたいという方がいたらうれしいです。

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