AYU

揺るぎない野生、遡上鮎にみる

あれだけ暑かった夏。
秋を飛び越えて一気に寒々しい冬へと推移した12月上旬。

これだけの渇水減水が今の那珂川。

夏の「あゆる」行動は例年より3週間早かった。しかし産卵期は1カ月以上遅れたとされる昨年。

冬迫る、鮎枯れる

昨年の秋の産卵期のようす。

少々この「産卵期の遅れ」については懐疑的だったけれど、海水温の急激な変化を避けられたとすれば、それはそれでよかったのかもとも思う…。

とにかく、心配をよそにしっかりと残るものは残って成長し、大挙して河川に帰ってくるのだから僕らの浅はかな想像では彼らが有する自然力を到底理解することなどできない。

彼らは僕らにとって都合のいい「資源」ではなく、あくまでも野生。
純粋に「いきもの」なんだ。

僕らはそういう当たり前のことをすっかりと忘れてしまっている気がする。

那珂湊海水温(産卵期から遡上期)

昨年より2日遅れの今日3月2日。
三度目の正直でなんとか、那珂川を遡上し始めた天然鮎たちを記録することができた。

海水温の低さから遡上が遅れるのかも?とすこし心配し始めていたところだったが、やはり産卵期が遅れていたとしても早期には帰ってくるものがいるのだと、また改めて鮎が行動で教えてくれた。

遡上臭を感じて那珂川へ

昨年の遡上状況。

今年は2月の中旬にあった潮がらみと気温とを考慮して観測を開始したが、あまりにも河川水温が冷たくて、遡上臭は感じられなかった。
そして先週27日温かな日、またしてもチャンス日が到来。
一度だけ瀬肩での水面をつく姿と煌きを確認したもののカメラには抑えられず。

そして今日、ようやく鮎たちの姿をとらえることができた。
これまでの機会とは明らかに水温が高くなっており、海香りの遡上も十分に感じられた。
昼前に流れのある場所で小規模の遡上群を初観測。

どの筋を鮎がのぼってくるのか。無数にある筋から那珂川初遡上の小さな鮎の熱量を感じ取る。
小さな体で瀬をのぼる姿をとらえたい。

午後になり、瀬の浅場を帯をなして遡上する鮎たち。
その煌きに気づいてから30分ほどみていたが、群れの遡上は続いていた。

ずいぶんな量の遡上があり、やはり先週半ばに初めの遡上があったようだ。
やはり例年通りに鮎は帰ってきてはいるようだ。

観測を始めて7年が経つけれど、やはり毎年この時期は新鮮で、わからないことが多い。
振り出しに戻る。

カワシオグサか。糸状はまだショートだが、今年も激しく悩まされるだろう。利用への意識と行動転換を今年も遂行したい。

そうやって季節の移ろいと目まぐるしい日々に薄れた感覚は、必ずやってくる春にまた再構築される。
その折々で再確認することが必要なんだと思う。

拾っても拾ってもでてくるコロガシ針。秋に想いを巡らせて大切に拾う。産卵期の漁獲を計算に入れなくても、那珂川の鮎の利用率は川鵜4.5%、人間94%と鵜より人間のほうが格段に高い。

野生には常に謙虚でなければいけないし、
「野生」「自然物」であるということを忘れてはいけない。

今年もまた子供たちと一緒に鮎の遡上する姿をみることができた。
この先もずっと記憶のどこかにその姿が残ると信じている。

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