HANDMADE WORKS

ウナギヌルによるタンパク処理有効性の検証(じるいじり)

カワシオグサは川藻染めの材料として、とても魅力的なことが前回の染実験にて明らかとなりました。
詳細は下記のとおりです。

じるいじる季節かんじる(川藻編)

アルカリではカワシオグサらしいさわやかな淡グリーン。
鉄媒染では褐色イエロー系。
素材によってもだいぶ色の出方は異なるはずですが「染まる」ということは間違いない。

で、今回は数年前から計画に計画を重ねてきた「ヌル」。
ぬるぬるです。

そう、魚のぬるぬる。
粘液。
なかでも圧倒的なヌルなウナギ。

生体防御のヌルヌルです。
この日のために、取りためていました。

解凍して井戸水に溶かす。

ヌルはこんなものです。
まさにウナギ特有の香りの正体のヌル。

苦労してここまで溶かすといい感じに白濁。

搾り残りは乾燥し、別な目的のために保存。

生体防御のウナギのヌルヌルには、レクチンというタンパクが含まれているようで…。
そうです。
目的はタンパク処理。
ウナギヌルによるタンパク処理有効性の検証。

タンパク処理は草木染めの前処理として、より染まりやすくする処理で、大豆たんぱくなんかが一般的です。
僕は普段の草木染めで植物系タンパク処理はしていませんが、魚系ならとウナギのヌルにトライなわけです。

綿2種類を用意し、片方をウナギヌル処理。
ついでにトライアルの綿Tシャツも一緒にウナギヌル処理。

ウナギヌルに浸しては乾燥、を3回ほど繰り返し、いよいよ草木染めへ。
今回は作業場に繁茂するドクダミを原料に。

漬けては乾燥を3回ほど行うと…

はじめはこれくらいが…

これくらいに濃く。

十分乾燥してから、今回は灰汁でアルカリ処理。
すると…

淡い黄色に発色。
井戸水で十分にすすいで乾燥。

こんな感じに。
左からウナギヌル有、無、有、無。
左2枚と右2枚は生地の違いです。

左からウナギヌル有、無、有、無。
ウナギヌルの有効性…どうなの?

写真で見る限りは変わりないけれど・・・
実際は・・・・

実際もやや、やややや、違うかな?
って程度、笑

結果はどうあれ、ウナギヌルしたんか、してないんか、1なのか0なのか。
したんなら1なんだ。

結果じゃないんだ、過程なんだ。
ヌルしんだ。

それが大事なんだ。

って唱えてます。

2024年の染め仕事。

ウナギヌルだけじゃなくて色々して、これだけの淡系のレパートリを見出しました。

2023の保存じるも久々に動かして、染め彩標本作っておきたいな…
なんて考えも出てきてしまって…
おっとアブナイアブナイ。

それよりも、ウナギヌルTのほう。

ドクダミ1回でこんな具合。

3回。

アルカリ処理で淡い黄色に。
このままいけば狙い通りだが…

十分すすいで乾燥したらこんな。

乾燥して日陰でみるとこんな具合。

やや濃い目に写っているけれど、白に比べたら断然染まっている。

ウナギヌルT(鰻染め)
完成です。

明日から早速来ます。
そして大事な場面にも着ていきたいです。

まだまだじるいじり…あります。

つづく。

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