LIFE

故郷の川をおもう

広葉樹の森から流れる沢が無数にあってカジカやホトケドジョウ、遡上系のヨシノボリも棲んでいる。
石はゴロゴロ黒く比較的鋭い。
岩盤地帯を流れる川。

僕にとって子供のころから慣れ親しんだ川。
まさに故郷の川。

秋ともなれば、サケが遡上し、産卵。

2020年秋に逆川で撮影したサケ。立派な雄。

孵化したサケは5月ごろまで逆川にもいて、海へと旅にでる。
そして数年後にまた、この逆川に帰ってくる。

サケにとっても故郷の川。

産卵を終えて力尽きたサケ。秋の逆川にて。

石が大きいことのほかにも岸際の植生が豊か。そのため魚たちの隠れ家も多い。
隠れ場となる表面積が多いから、水中の虫たちも多く、魚のえさも多い。

逆川に棲むオイカワ。とてもおいしい魚。きれいでしょ。

代表的な鮎、サケのほかにも、ウナギやキバチ、ナマズ、オイカワ、カワムツ、ドジョウ、ホトケドジョウ、カジカ、シマドジョウ・・・・

数えきれないほど種類が多い。

ウナギ。天然もののうなぎ。はるか2500kmも離れたマリアナからここへやってきた。奇跡の出逢い。

水質は環境省の指標では確かAランク。
しかし、実際に川を見ている自分としては決してきれいな川ではない。
田んぼの代掻きの時期には泥濁り。
この時期はモクズガニや鮎が遡上する大切な時期だけれど、川底の泥が鮎の生育を阻む。

そして、大量の肥料カプセルが流れつく。

この時期の川はなんだか甘い香りがする。
よく見ると様々な種子?も混ざりきれいだけれどなかなかの量。

家庭ごみの投棄や廃棄物の投棄、自宅裏から川へ粗大ごみをポイ…
増水のタイミングに農業用ビニール袋をポイ…
いらなくなった名前付きの通学用ヘルメットなんかも転がっている。

川を歩いているとこういったものがとてもよく目につく。

これは逆川だけの話ではなくて、那珂川も同じこと。
川漁師さんが船の上でペットボトルのお茶を飲んで、飲み終わると川へポイ…
差し上げた缶コーヒーを飲みほし、目の前で川へポイ…

すべての方がそうではないが、こういった現状もあるのは確か。

町中の排水。単独浄化槽からの排水だろうか。少し前まではぶくぶく泡がひどかった。

泡立った排水はひどい匂いを放って川へと流れでる。
青緑色に白がまざったコケが生えている。

急峻な崖に阻まれた逆川において、風がやめば、ぷんとかおる。
でも田んぼの時期の甘い香りも、この匂いも、実は懐かしい川の匂いであり、僕の知る那珂川そして那珂川流域の川でもある。

「こんなうんこ水の川の魚なんか食えやしね~。」
「どぶ川だ」

故郷の慣れ親しんだ川なだけに、自分のこれまでの人生をまるで否定されたような気持にさえなる。
そして、そこに棲む魚たちが馬鹿にされているようで心底悔しい。
なんとも悲しいが、自分たちが汚しておいて、汚くて食えないとは、随分と勝手。
川はゴミ箱ではない。

那珂川含め逆川も大好きな故郷の川だけれど、いつも胸の奥でギュッと締め付けられるよな感覚を覚えて、なんともこう、つっかえていて、気持ち悪い、苦しい。

そんな気持ちに、川に関わるほどになる。
その辛さ、苦しさには、自分自身もまたきれいな川だとは思えていないところもあってのこと。
とてもつらいものです。

今は、環境を変えるためにはどうしたらよいか、正直、大きなアクションは思い浮かばないし、できることも時間やお金の面で限られる。
誰かに進められたアクションをやろうとも、今は気があまり進まない。

だからこそ、今は現状を認識しつつも、そこに棲む魚たちに焦点をあてて、利用することをやめないようにしたい。

逆川源流調査

まるで岩手県の遠野のような雰囲気のある小貫地区。

そんなことを想っている日々の中で、逆川の源流域というものに興味が沸いたのでした。
ようやく本題ですが、逆川の流域に棲んでいて、無数の沢があって、その沢すべてが源流なわけではありますが、どんな場所なのか前々から興味がありました。

自宅にも水源があって、これはご先祖様がつくってくれたもの。

その水は今は父が野菜を洗ったり、僕が魚を仕立てたりするのに使っている、とても重要なものです。
小さな水源は長さにしたらほんの僅かな流程ですが、無くさないように守るべきものだと認識しています。

どのような方法があるものか…
かごめらぼ」さんが取り組んでいる「水の杜育む「暮らしと生業」創造プロジェクト」に参加し、見たり体験したりして、少しずつですが将来のイメージを膨らませています。

水への興味が強くなってから源流を意識するようになったのでした。

調査予定当日はあいにくの雨。
三日月マルシェで知り合った茂木のジュンさんと一緒に行く予定でしたが、朝はザーザー雨で延期に。
雨が上がった昼頃に、車で行けるところまでと、ドライブがてらに行ってみたのでした。

町中から笠間街道1号線を南下して、小貫地区の町道山口奈良駄線を南下。
すると…

通り抜けできません…
迷って左折。

逆川がこんなにも細く流れています。これだけでもなんだか感動。
車を進めるとすぐにオフロード。

杉檜の植林地に。浅い谷には沢が。

分流もちらほらとあり…どっちだ?

すると開けた場所に出ました。
どうやらここは「百騎の森」というらしく、新しい看板には「みんなの森」とありました。
一度は町で整備された場所なのかな…

この奥を進んでも源流らしいのですが、険しすぎるので、流量の多い本線と思わしいルートを選択(車で行ける方を選択)。

猪のどろんこ遊び場らしきところもあって、人はたまに通っているようですが、動物のが通行量は多い様子。

雨上がりということもあって、水がたくさん流れています。

底質は白っぽい砂利で、岩手の沿岸河川にも似たような川があったなと、ふと記憶がよみがえりました。

逆川の源流に続くこの流れはなんとも意外な沢相。
想像していた黒々としたものではありませんでした。

石の種類はわかりませんが、よく見ると黒や褐色、黄色も見られました。

このような石は下流では見ないように思います。

源流域の森は、広葉樹。その源流へと続く沢のまわりは杉檜の植林地といった感じ。
日当たりはあまりよくなさそうで、じめじめした雰囲気を感じました。

車で行けたのはここまで。

白点線が茨城県との県境。青丸が車で行けたオフロードな最奥。

ここから先は、日を改めてジュンさんと。
あと500mほど先がきっと山のてっぺんだから、そこらへんに源流のその一滴があるのではないかと、そう軽々しく想像しているのですが、どうなのでしょうか。

帰りに目についたのが馬頭尊。
県内でもあちこちで目にしますが、ここも馬で峠を越えていたのでしょうかね。
小貫地区でもあと2か所ほど馬頭尊が祀られていました。
大田原市でみた馬頭尊には人参がお供えされていましたが、ここもやはりそうなのでしょうか。
ここまでお供えにくるのだとすれば、少々大変。

そして分流もちらほらと。
本線もそうですが、雨上がりでもクリアー。
ちゃんと濾されているんでしょうね。

一瞬日が差し、水を照らしてくれました。

道路近くまで戻って、川へ入ってみると、下流域でも見かけるような黒々とした石が点在しており、生き物の気配が。
石をひっくり返すとサワガニ登場。

カジカやホトケドジョウがいるかはわかりませんが、魚の気配も感じたので、今度は探してみたいな。
かつて逆川の沢にはヤマメが棲む沢があったので(今はいるのかな?久々にいってみようかな)、そんな沢の存在を探す旅もなかなかおもしろそう。
結局、魚のことへの興味で終わった逆川源流ドライブ。

いや~、逆川のことでさえも、1mmも知らないんだな。
新たな課題を残し、次回調査へ進みます。

最後になりますが、自分にでもできるワンアクション。
米のとぎ汁に塩と砂糖を混ぜて、日にあてて作る「万能乳酸菌水」。
くらしひ」の尚子さんに教えていただきました。
食器洗いにも髪や体を洗うにも使えて、ヨーグルトもできる、植物にあげると元気になる。
ミラクル水。

那珂川流域の水、いや逆川流域の水でつくるミラクル水。
洗剤を使うことをできるかぎり減らす取り組み。
始めています。

こないだは、妻が漬物をつけてくれました。
食べると釣りがうまくなるという梅干だけでなく、漬物系全般が苦手な僕でもおいしく食べられました。
とてもフルーティー(紅茶が入っていた瓶でつけたからとの噂もあり)。

ワンアクション。
少しずつ増やしていきたいです。

つづく。

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