FISHES

君が風に舞う髭かき分けた時の…

思い出す…意味なく…

変わらない香り…

景色…

風…

違うのは…

ここに君がいないだけ…

ここに立つと蘇る…
蘇る…

あ~物思いにふけっている場合ではないです。
夕暮の水辺では…

ガガンボ、ガガンボ…

ガガンボ?ナノ?

わからないけども。
それより初めのポエム見たいな出だしなんなの。

それはそれはすごい数がいます。

昨日も…

今日も…

夕方に。

とてつもなく激しく、飛んでは絡み合って。

子孫を残すために必死です。

僕は一眼レフにマクロレンズをつけて、さらにライブビュー機能で倍の倍の倍してみてましたから、その激しさたるやもう…ほんと感動しますよ。
これは動画でおさえるべきシーンでした…。

川に一日中いると、川からも陸からも、いろんな音が聞こえてきます。

魚たちや虫たちの様子の変化になんとなく気づいたりします。

水位の変化も。
日が変われば、また新たな変化が。
ずっと川にいないとわからない、気づかないことがたくさんあるのですね。

桜、咲き始めていますね。

花びら…

舞い散る…

記憶…

舞い戻る…

気づけばまたこの季節で…

手をすり抜けた…花びら…
ぬけがら?

・・・ぬけがら♪

この場所来るまでわからなかったが、此処だけは今も何故…

あの日以来、景色変わらない。
でも消えてしまうよどこかへ…

散りゆく「ぬけがら」は語らない…

吹き止まない春の風、あの頃のままで。

君が風に舞う、髭かき分けた時の…

淡い香り戻ってくる

ヒュルリーラ
ヒュルリーラ

那珂川の…
ボウズイシ

・・・

・・

舞い散る花びら、いや「ぬけがら」

その正体は

河川芸術界の巨匠
髭長川飛螻蛄 先生だったのですね…。

ですよね?

君が風に舞う髭かき分けた時の・・・
…髭?…ひげ?…ヒゲ!!

ヒゲナガカワトビケラ

なるほど。

しかし、先生…すごいですよね、経歴が。

この幼虫が糸で石をくっつけて巣みたいのを作って、そのあと石で繭みたいのつくって、サナギみたいになって、そのあと繭をこじあけて水面に泳ぎあがって、水面で脱皮して成虫となり飛び去るのですから。
右の写真みたいに、手をこ~しながら水面に浮上して水面で羽化って。

まさに、飛び立つ姿は「春風に舞う長い髭」。

これだけのフォルムの変化、そして石でできた変わったお家、手をこ~しながら浮上とか、水面で脱皮して飛び去るとか、とんでもないことしてますよね。

想像を絶するご経歴。ご生態。

で、ぬけがらが、さっきのこれなんですよね。

この日、確かに、一日のうちでも、この羽をバタつかせたり、羽をひらいた状態で流れてきた時間帯というのがあって、それが13時ごろにどっと増えました。

夕方には極めて少なくなりました。
あるタイミングにどっと、羽化するのでしょう。
で、浮いているのは羽化に失敗したヒゲナガ先生ということですよね。

先ほどのこの写真、この岸辺に打ちあがっていたのが、羽化に失敗した先生たちだったんですね。
夕方のことです。

相当量の先生が昼ごろに一斉に羽化したんでしょう。
そして多くはこうして…。

厳しい世界。
想像を絶する生態です。極めて複雑に感じる工程が羽化までにありますから。
成功する確率は非常に低いのでしょう。

これだけの死が絡むということは、ヒゲナガ先生もそう遠くない将来、別な生き方(羽化の仕方)を獲得しているかもしれませんね。

でもふと思ったんですよね。
成体をほとんどみていないなと…

あれ?

あの日僕らは別々の場所で同じ鮎を見た前のページ

【開幕】那珂川サクラマス2022次のページ

ピックアップ記事

  1. 【速報】那珂川天然遡上アユ初確認!!

  2. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息するサクラマスの生活史

  3. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息する戻りヤマメについて

関連記事

  1. AYU

    あれから10年、今日は最高の春遡日和

    あれから10年…あの日、那珂川にいた僕には、まさかきょうの今…

  2. FISHES

    虎鱸70ボイルから

    那珂川の魚種のうち、関わり合いが結構深い魚。コクチバス。…

  3. AYU

    鮎の泉、伏流水でのひと時

    ここ最近の夜はどうも変な夢をみます。一番びっくりしたのはお笑い芸人の…

  4. AYU

    台風19号が那珂川水系に運んできた「ふっかふかなお布団」~アユとシロザケの産卵床~

    時季外れに咲くハナカイドウ。秋深まる中、台風19号が過ぎ去っ…

  5. FISHES

    魚のすむ「よさげ」な場所

    一日の温度差が20℃。自律神経の乱れを恐れることもなく、コーラを飲む…

  6. AYU

    那珂川における青ノロの遡上生態

    GWまではイイ感じの川底だった那珂川…各所に溜められ温水となった水が…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. HANDMADE WORKS

    じるいじる季節かんじる(ちたけ編)
  2. NATURE

    火の玉が飛んだ夜~那珂川超常現象~
  3. AYU

    時速1尾が生んだ新釣法~那珂川の友釣り~
  4. THE OTHERS

    那珂川のアユと御前山ダムのカワウ
  5. HANDMADE WORKS

    那珂川流域の青藻屑盌
PAGE TOP