ヒグラシの鳴き声と肌寒さで目が覚めた土用の朝。
さっきまで雨が降っていたのか…
日の出を目前にして山際から靄が。
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川と適度な山々に囲まれた靄に満たされた環境が葉たばこや漆の産地として適したという。
歩いて川へ行き、舟にたまった水をはらってかえると虹が。
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朝から虹なんて珍しいような気がして、なんだかいいことが起きんじゃないか?
そんな予感がしつつ、霧の出た山を見に裏の畑へ。
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里芋の葉っぱに驚いて…
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雨がたまった葉っぱが気になって。
面白いな~と思いつつ、眺めているうちに
いつのまにか水を探すように…水を求めていました。
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純粋にきれいだな~と思って写真をとりました。
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角度によってもかわる水の表情。
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こちらは水虫。
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なんでこんな色になるのかはわかりませんが、魚の腹側の色に似た煌き。
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水の中には別の世界が広がっているようです。
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とにかくすごいな~と眺めていると…
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現れたのです。
UNA
ウ~ナ。UMAではありません。
UNA。
Unidentified Numeri Anguilla
未確認滑鰻(みかくにんヌメリうなぎ)のことです。
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鰻と違って、ヌメリがない鰻のことです。
未確認なのはヌメリ。
Anguillaは鰻の学名ですね。
ちなみにAnguilla japonicaはニホンウナギです。
このUNA。
土用の雨上がりの早朝、数ある条件がそろったタイミングでのみ出現するという…世にも珍しい鰻。
日本固有の鰻とされていますが、まだまだ確認事例が少なく、謎に包まれています。
私も今回が初めて。
未滑鰻水(Mansui Minumeri)
これまでの研究では、あくまでも生物、魚としての報告事例でしたが、今回、革新的な発見がありました。
それは、UNAは作品であるということ。
これは那珂川流域の”水遣い”として知る人ぞ知る「未滑鰻水(みぬめり まんすい)」先生の…
水鰻(みずうなぎ)
という作品だったのです。
一生に一度見れるか見れないか、そんな作品に出会えた奇跡。
こんな鰻はみたことない。
川漁師として微かな一歩を踏み出したこの年に、こうしてみることができた水鰻。
これは大きな後押しではないだろうか。
ばあちゃんが死んだ春。
ばあちゃんの部屋に飾ってあった「七福神がぶら下がった竹竿」が…
ひとりでに、しなって大きくゆれたという。
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そんな日の鰻の釣果は…かつてない大漁でした。
川漁師。
やってみよう。
水鰻をゆっくりと眺めながら、そう、決意を決めた出来事を思い出した土用の朝。
焦らずゆっくりと、着実に、自分が思う「川漁師」を進めていこうと思います。
・・・
・・
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そして今年とった鰻たち。
さっそく「かごめらぼ」の五月女さんのところへお届けしました。
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竹ざるのうえの鰻たち。
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生甘い鰻の香りと炭の香りが混ざり合う。
想像を絶するほどの回遊を経て、ここ那珂川で偶然にも出会った鰻。
命の営みを想像しながら味わっていただけたこと、とてもうれしいのです。
自分が思う「川漁師」 。
那珂川の四季の魚たちをとって、それをお届けする。
そして味わっていただく。
当たり前のことなのでしょうが、
川とヒトとをつなぐ、そんな極シンプルな役割を担えるようになれたら。
そう思うとワクワクするんですよね。
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