ACCESSORY

思出鱒の黒鱒化と微笑鱒…そしてOtolith in

ヒキガエルが産卵しました。
里山です。

那珂川流域の築100年とされた今はなき古民家。
その廃材でつくった鱒たち。
その名も…

【思出鱒】

過去の記事はこちら。

廃材とはいえ、そこに棲んだ人や環境のうつろいをみてきた材でとても意味深い材です。

そこへ昨年作った柿渋を塗って…

だいぶ赤茶色くなりました。
そこにRiverline水(水系の井戸水と泥、鉄を使った特性媒染液)を塗ると…

あら不思議…
真っ黒です。

思出鱒の黒鱒化…成功。
Riverline水の塗り具合やぬぐい具合でグラデーションをつてたりもしてみましたが…
なかなか渋い。

思出鱒でない流木鱒(レイクトラウト:左上の二つ)も染色してみましたが、よく染まりました。
木の種類によってだいぶ色の出方は異なります。

また、柿渋の濃度によっても黒鱒化具合が異なりました。
今回はすべて黒鱒化しましたが、
柿渋染めのままも経年の色変化も楽しめそうですので、いずれ着手したいです。
もちろん、思出鱒の黒鱒化した鱒たちの経年変化もあるのか・・・こちらも期待したいです。

他にも、流木鱒に淡水二枚貝の殻で目入れをし…

オイル入れると…

なんの種類かといわれれば、一応ヒメマスやカラフトマス、ニジマスやブラウントラウトなんかをイメージして彫っっています。

オイルを入れるとぐっと深みが増します。
なかなか厳ついヒメマスです。

談笑中。

談笑中。

吉釣の微笑み。
彼らもまた。微笑鱒ですね。

本家の微笑鱒にも…
目入れを行いました。
角度によって、さまざまな微笑みを浮かべてくれます。

釣行のお共に。
きっと素晴らしい魚たちとの出会いへと導いてくれることでしょう。

さて…
思出鱒の黒鱒化した1個体。

マッドブラックで、うっすら柿渋染めの木目が見えています。

鱗の凹凸の部分もなかなか渋い感じで色がまばらに出ています。

ん?

んん?

頭のところに…

白い塊が。

そのとおり。
耳石(魚の頭の中にある石ころ。経験水温や海・川といった水域、年齢など、詳細な個体の生態情報を読み取ることができる組織)でございます。
過去の耳石関係の記事をのせます。

思出鱒の頭に那珂川本流で釣った戻りヤマメの…

耳石を埋め込みました

ヤマメは僕の胃袋に収まっても、この耳石がある限り、彼が過ごした履歴情報を復元することが可能。
この耳石は、もはや彼そのもの。

木が長年見てきた思い出と那珂川に生きたヤマメの記憶体を融合させた鱒。
本来なら出会わない那珂川水系のおのおのたちがめぐり合って完成した思出鱒。

「オトリスマス」

鱒ブローチとして釣り人の胸から様々な川を旅し、
数々の素晴らしい魚との出会いをともに喜びあう。

その思い出は新たな記憶として、耳石に刻み込まれる。

・・・

オトリスマス。
このような鱒ブローチの製作にも取り組んでいきたいと思います。
・・・
ただ、今回のは失敗かな~…
違和感。

そしてさらに…

流雷木から製作している鱒たち。
「流雷鱒」

雷に打たれ焼け焦げたであろう漆黒の材質と流木ならではの模様を活かした鱒たち。
彼らも完成に向け着々と成長中。

どのようになるのか…
ご期待ください!!

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