久野陶園窯焚き延期もあって追加で盌を製作することに。
検証したかった藻屑灰(モクズガニ)と蜻蛉灰(オオシロカゲロウ)。
詳細は前回の記事のとおりです。
久野陶園のいとうさんにまた検証していただきまして…

藻屑灰。

蜻蛉灰。
川粘土ブレンド土も溶けてなさそうだし、藻屑灰と蜻蛉灰もかたまって定着していそうなので今回の盌に使用することにしました。

成形した盌2つ。
川野点に使いたい茶盌です。
昨年、町田夕子さんからお誘いいただき参加した山小屋での「山からうまれるくらし展」。
その時に製作した野点に使える道具たち。

さまざまな身の周りの竹たちの茶杓。

粉匙など。

川臭い粉匙や…

田んぼ周りのあの鳥の…

泥土かおる粉匙も。

こちらは黒竹仕舞の流竹(流木ならぬ流竹)粉匙。

川にもまれた竹の香りはすきとおった甘い香りがして、特異な質感。
たまらなく川貝を螺鈿。

川野点道具に関わる名は「魚工斎(うぉくさい)」に。
さかなくさい ではありません。

あ~早く川野点したい。
そんな気持ちが高まる魚工斎の匙。

胡麻入真竹茶杓。

焼きグラデほどこしてます、ひそかに。

この竹の赤。

たまらないですよね。
竹の魅力に改めて気づかせていただいた展示会。夕子さん、一緒にやった小圷さんに心から感謝。
小圷さんとはこのあと二人展を久野陶園でやるんですがほんとはくらし展の前の予定で…
とか、小圷さんと2回連続で一緒に展示会に偶然なったって話とか、いろいろあるんですが、記録しとけないので記憶にはしっかりと焼き付けて…。

土臭いのか川臭いのか、ズーミミな匙とかも。

鰻筒仕舞とか。

もう川臭いし川野点にドンピシャなやつ。

茶はこの竹筒に入れるとか。

蓋はもちのろんで流竹。

朝霧の那珂川の川面のよう。
アクセントに川貝をいれるのはもうお決まりで…。

まるで漆のような質感をめざして流域の弁柄と絵具で着色。いい感じ。
でもやっぱり漆はやりたい。
・・・っと、ずいぶんと飛びましたが
この夕子さんからいただいたきっかけから生れた「川野点して~」の気持ち。
それの気持ちの流れにのっかって手を動かした茶盌。
なわけです。
だいぶ長くなったのでここからはスピードアップで。

焼く。

いろいろ込まってます。

酸欠!

キーン、カーンと響く焼き締まり具合。

中は宇宙。
さぁ~いよいよ釉かけ。
まずはコカナダモ。
小加奈陀藻盌。

で、実は藻屑灰をベースにしています。

一部には藻屑灰と小加奈陀藻灰をブレンドして釉がけ。

でさらに、あの寝かせに寝かせた蜻蛉灰を藻屑灰ベースのところにドンと盛り。

今回は前回の失敗(釉薬が薄い)もあって、もりもり盛りました。

今の時点ではイイ感じ。

裏。
そしていよいよカワシオグサ。
川汐草盌(青ノロ盌)。
青ノロって表現良くないかなって言いながら、でもそれはそれでユニークで特徴つかんでるし、愛情込めて青ノロって呼ぶのもいいじゃん!って思って。青ノロ盌!!
「ノ」も「ロ」も漢字である形だし渋いじゃないかよおい。

横方向に蜻蛉灰を盛る。

かけ揺らした蜻蛉灰。

ここはどう出るか彩。
藻屑灰をベースにしてるから白っぽくなるんか…?

縁は川汐草灰をたっぷりに。

こちらは藻屑灰ベースに川汐草灰をシンプルに。
白系の下地に那珂川グリーンがでやしないかと…狙うもどうなるか。

楽しみでしかない。

現時点ではイイ感じだが…少々不安も。

ここは藻屑灰と川汐草灰をブレンドしてベースに。

記録しとかないと、どのようにかけたところに、どんな色が出たんかがわからないから。

蜻蛉灰がどう作用するんだろう…。

川汐草盌(青ノロ盌)裏。
締め切りのぎりっぎりで今日なんとか形になりました。
いよいよ明日提出。
前回提出した盌2つは釉薬が薄いと指摘があったのでその修正もしたいところ。
歴史ある場所で窯焚きで器が焼けるんだから、そんな機会なかなかないし、だからこそ僕は混めました。
たっぷりと那珂川を。
そして想いを形に。
川野点に向けての一歩。
わくわく。

泥人たちも、時間ができたら綴ります。
この記事へのコメントはありません。