青緑
あおみどり
AOMIDORI
青く緑のそれをイメージして
つなぎ合わせたものが偶然にも…青緑だった。
【AOMIDORI】です。
素材としての味付けはしていませんが、青柚が大きくなっていることに気づいたころ、完成。
渋めの青緑と竹や流木の茶色はなんともあう。
好きなコンビネーション。
フレームは真竹。
グリップはミズナラの流木。
まさに【SUISAI】がベースのランディングネットです。
ミズナラ(水楢)なのでこれも水…つまりは青を連想させ、このミズナラが死んで流木になって那珂川でもまれたことは、つまりは那珂川が創り出したということ。
青緑色の那珂川の作用をうけ、流れ、出会ったわけです。
フレームとグリップの接合部には鹿の角を入れて、フレーム内側のU字部分には、鹿角とミズナラを渡すように、薄い竹と欅の皮を重ねあわせて凸レーション。
どうしても、魚が入って暴れた場合には、竹のしなりも作用して左右に力がかかりやすい部位。
装飾という意味と、補強という意味でのデザイン。
那珂川流域に棲む淡水の二枚貝の殻も凸レーション。
淡い光が美しい。
もちろん、泥蜂の泥巣を焼成して砕いた粉とガラス成分を含むという竹の灰を混ぜ合わせたものを一緒に埋め合わせています。
淡く青くひかる。
ここにも青がありました。
光の加減、方向でも色合いが変わるのが貝の味。
ミズナラの導管なのか細かな組織の穴にもピンで穴をいくつもあけて泥巣を練りこみました。
グリップ表面は自家製ニホンミツバチの蜜蝋とエゴマ油をブレンドした特製ワックスにて磨き上げました。
そして、ほっとけないのがグリップエンド。
なんとも気持ちわるい。
いや、本当は僕は気持ち悪いとは思ってはおらず、とても好きなのです。
このぼこぼこや…色合い。
欅の皮です…いかがでしょうか。
欅の皮の美しさに魅了されてから、多用。
欅に限らず、木々の細かな部位というのは表面だけでなくて内面も実に複雑。
縦に削っても、横に削っても異なる模様。
裏から削っても、前から削っても異なる模様、彩。
こんなところにも、二枚貝を泥巣で凸レーション。
緑色に光る貝。
あらゆる箇所に那珂川を秘めるランディングネット。
そして、ここにも泥巣で凸レーション。
泥蜂の泥巣を焼成させたときに、一緒に焼いた木材の灰や自家製の那珂川流域の粘土があわさってガラス化した凸を…
凸レーション。
ここもまた、緑の発色。
AOMIDORIの所以。
裏側にも欅皮をシンプルに。そして焼き印を。
フレームは真竹で細かな削りを入れて鱗模様をつけました。
焼きをいれてランダムに。
ネットはフロロの黒糸でフレームにしたててあります。竹本来の色味を邪魔しません。
内側にも焼きを入れています。
ネットはクレモナ糸の手編み。
ベースはダイロンで染色し、外側にヨモギ染めの泥鉄媒染で黒っぽさを追加。
ヨモギ泥染めグラデーションです。
ヨモギの香りを少し感じていただけます。
これもまた緑。葉っぱの緑です。
グリップ側面にも二枚貝を施してアクセントに。
那珂川流域の素材をふんだんに使い、思いのままに自由に製作したAOMIDORI。
そうは言っても、SUISAI(水彩)をベースに青緑という彩、もの、素材、ストーリーにこだわったランディングネット。
製作依頼をいただいた方のイメージも込めたランディングネットがしあがりました。
魚をすくう道具ではありますが、その存在がもっとこう広がるといいなと思うのです。
それはどういうことか、まだはっきりとはわからないのですが、かつての先人が自作して身に着けていたような網を手にしたような、受け継いだような。
そんな感覚をいだける網がつくれたら面白いなと、思ったりしています。
年内にあと数本、ランディングネットの完成品をご紹介できればと思っております。
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<サイズ>
内径縦26cm 重さ97g
クレモナ半目15mm
ネットサイズを越えない小型魚を対象にしたサイズ。
97gは有孔素材のグリップと真竹フレームを限りなく薄くしたことで実現した軽さです。
クレモナですのでバーブレスフックでの使用がよさそうです。
◎取扱いについて◎
1.フレームは1枚の竹フレームでできており、しなり・ねばりがあるのが特徴です。そのため、ランディングネットを振って水切りすることや、魚をネットに入れた状態で空中に持ち上げる、持ち運ぶなど負荷のかかる動作により、フレームまたはグリップとの接合部が破損する恐れがありますので、お取り扱いには十分ご注意ください。
非常に軽いネットですので、マグネットリリーサーは1~2kgほどの負荷の弱いものをご使用ください。
2.使用後は水を十分にふき取り、陰干し乾燥、蜜蝋ワックスで拭き上げてくださいますようお願いいたします。
3.車内に長時間置いておくなど、外気温より高温条件下にさらされることでフレームの変形や破損につながりますのでご注意ください。
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