HANDMADE WORKS

土と石、そして泥人

なんだかんだで15年ほどたつ泥いじり。
泥というけど粘土。

小さいころからあちこち山とか沢とかで目にした独特の質感と色と…。

ふと思い出して採取に向かったのが15年前ということなのだけど、濾したりしてみたのが最初だったか。

その頃に焼いたものは今も手元に少しあって、湯呑として使えているのはわずか。
ほとんどは植木鉢やモノ入れとして存在してはいるけれど、大部分は短気を起こして壊してしまった。
それと粘土を最初に別けてもらったのが小砂焼だった。どこの窯元だったかは覚えていない。
確か震災が起きる少し前だったと思う。

庭から採取した粘土。

震災が起きたけど予定通り就職できて、その時職場の先輩に陶芸をやっているって話をしたら、「中身はじいさんだな」って言われて、なんかうれしかったのを覚えている。

那珂川のサクラマスを追い求めてタモなんかを数本自分用に作ったのがちょうどその頃で、「Riverline」という今の屋号をカッコつけて名乗ったのはこの時からだった。
当時はルアーなんかも少しつくって、あっさりとヤマメが釣れてしまったもんだからルアー製作からは遠のいた。

自家地層の白系粘土。

焼き物はその当時ものづくりの主軸にあって、釣りは趣味兼研究といった位置づけだった。
タモづくりは長いこと空白となって、結局今から4~5年前に再燃して、木彫りなんかも始めることになった。

自家地層の緑系粘土。

何も変わっていないといえば変わっていない。

ありとあらゆる素材を混ぜ込んだハイパーブレンド(川粘土、沢粘土、火山灰、地層系、土器粉、泥蜂粉、川汐草灰、藻屑灰、蜻蛉灰…)。

粘土とのつながりはかなり長いことになるんだと、改めて書いていて思う今。

青粘土。

小学生の時に見た、この青粘土の地層が今につながっている。
今も記憶の中で、沢沿いを歩く僕とばっぱがいる。

関東ロームな火山灰。

泥蜂巣材の荒目。

泥蜂巣細、土器片粉、地層白。
これは木材への着色用に少しふるっておいた。

これだけの泥と砂を運ぶんだから…

粉にして練る。
十分な粘り気があっていい。

ちょっと泥色の違う泥蜂巣材。
もしかすると、種類によって使用する材が異なるのかもしれない。
だとしたら、泥蜂の種類と巣を同定して、それぞれに集めて焼いたらどうなるんだろう…

これをやっちゃったら大変だわな…。
興味は尽きない。

その辺を極めているのが那珂川の泥師「泥蜂融越」先生である。
おそるべし。

土器粉。これだけの彩のバリエーションがある。

ハイパーブレンドの土熊。

右から地層緑、地層白、ハイパーブレンド、ハイパーブレンド+。

川粘土+泥蜂土多めな土熊。
バリエーションは多岐にわたる、もう記録しきれない。

焼く。

にぎったらタツノオトシゴ(ちびっ子作)

犬(ちびっこ作)

そして土と同じく小さなころからなんとなく拾ってきた石たち。

様々な色形、時間が感じられていい。

水晶もこの土地のもの。

よくあるきれいな形ではないけれど、身近で柔らかな雰囲気を感じる、味わい深いもの。

石も色々な思い出があって書ききれない。

石たちと原動力

前に少し記しておいた。

魚と関わるなかで水のありがたみを強く感じる。
井戸は大切にしていて、そんな水回りに仏をすえて、手を合わせる。

泥人。

流域の水晶を持つ。

ちびっ子が川でひろった石がなんとなく仏像のようだったり、祠の小さな石像、円空の仏像だったり…
今はなき小学校の隣にあった神社で掃除当番だったっときに見た小さな土風仏像。
なんとなく目にしてきた姿で極ありふれた姿だけれど、どこか動を感じる。

この土地の土と石がつながって実体化した。

縄文的な雰囲気も感じられる。

赤瑪瑙、湧き出る熱いのを感じる。

感じる。

瑪瑙。

焼く。
この雰囲気がいいけれど、このままは残らない。

焼いてからどう仕上げるか…

石鏃風の瑪瑙をそえて…。

水仏像。

色々な場所に据えたい。

しかしどう据えるか。
土台や祠も含めてもう少し製作してみたい。

泥人 魚ノ神(うおのしん)。

今年は土が多めになりそうだ。

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