AYU

淡白い濁り漂う川で…

透きとおった青々しい流れの中に金色に輝く魚形の硬質物が沈んでいる。
それを僕と娘は護岸から見下ろす。

僕らは同じく金色の疑似餌を糸に結び川に投げ入れる。
疑似餌が金色の魚形に触れたとたん、それは弾けて黄金の煌きが水中を漂う。
水の流れは速いが、あまりの煌きに水が淡白く濁る。

僕らはこれが魚を増やす方法だと知っている。
日々の観察と経験から知っている。

しかし、どのような理屈でそうなのかまでは知らない。
ただ魚たちのためにやっている。

でもこれは、やってはいけない禁止行為。
ルール違反。

僕らはそれも知ってはいる。
が、魚が増えるのだから、少々の後ろめたさはあるけれど、
本当に悪いこととは思ってもいないし、
やめたりはしない。

・・・

そしてまた魚型が煌いた。

淡白い濁りがまた魚たちを増やす。

・・・

・・

なんて夢だっ。

よかれと思ってやったこと、しかも信じてやまないこと、
それがやってはいけないことだったとしても、
決してやめない、やめられない。

変えられない。

こうゆうことって、日常に普通に転がっているように思います。
きっとその多くに、自分自身は気づいていない。
むしろ気づけないのかもしれない。

経験がその人に見せているもの、その力はとても大きいし強いもの。
それは他人が理屈を論じてなかなか変えられるものではない。

それと、
本当にこの魔法のような魚を増やす方法があるのだとしたら、
ちゃんと調べて科学的な根拠をもって証明する必要があるように思います。

そのうえで本当にこの魚形の煌きが魚を増やすのならば、この行為をルール上認めるか話し合ったらいい。
でもこれは研究者だけではなし得ない、僕らのような光らせている当事者がいないと。

むしろ研究したり調べたり、してもらうんじゃなくて、自分たちがそれをしたらいいし、
証明するための手助けを研究者にもとめたらいい。

そしたら僕らはもっと魚形のことについて知ることができるし、おもいっきり煌かせることができる。
後ろめたさの幻想にも気づくことができるかもしれない。

なんのこっちゃかわかりませんが、
昨夜見た夢は他にも色々なことを考えさせてくれました。

ちなみに使用した写真は、一晩流水飼育した鮎のうんちです。
10尾ほどでもすごい量がでるものです。

青ノロがとれるころには前のページ

まるで盛夏の落雷のような次のページ

ピックアップ記事

  1. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息するサクラマスの生活史

  2. 【魚類妄想生態学】那珂川に生息する戻りヤマメについて

  3. 【速報】那珂川天然遡上アユ初確認!!

関連記事

  1. FISHES

    青ノロふわサラショートとガサザラロング

    増水からあっという間に減水。わりとクリアウォータ。夜…

  2. AYU

    動画撮影による那珂川天然アユ遡上モニタリングの可能性

    3月18日…栃木県茂木町の那珂川において天然アユの遡上を映像に収める…

  3. AYU

    2040年の遡上予想

    今期の那珂川の鮎の遡上については昨日の記事のとおり。http…

  4. FISHES

    君が風に舞う髭かき分けた時の…

    思い出す…意味なく…変わらない香り……

  5. AYU

    断続的に帯、発達は出水のあとに

    あれから帯は断続的ながら連日遡上。帯遡上は下流の落差所で停滞し、たま…

  6. FISHES

    魚のすむ「よさげ」な場所

    一日の温度差が20℃。自律神経の乱れを恐れることもなく、コーラを飲む…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
LATEST ARTICLES
  1. ACCESSORY

    ランディングネット「MOLAR」那須の渓へ
  2. HANDMADE WORKS

    導かれるままに進むのみ
  3. AYU

    失わない逞しさ鮎の塩焼き
  4. AYU

    野生の姿を…那珂川にみた
  5. NATURE

    【河川芸術】~川の氷~
PAGE TOP