NATURE

里山の風景―懐かしき那珂川水系「小袋田の滝」とホトケドジョウ-

田植えが終わった4月下旬。
田んぼには多くの生き物が集まっていた。

サシバ。

田んぼに映るはクヌギ。昔は炭にするのに植えていたのだろう。今は管理する人もいなくなって大きく育ったクヌギは少しずつ枯れ、倒れ、、、、。
落ち葉を堆肥にすることも少なくなって、カブトムシの幼虫もあまり見られなくなった。

そんな中、新たな発見も。

アカハライモリ。田んぼに沢山集まっていた。
これまで雨が降った後に道路を歩いている姿を見かけてはいたが、田んぼに集まっている姿は初めて見た。
何かが変わったのか、、、。
今まで気づかなかったのか、、、、。

全部で15匹ほど確認できた。
産卵にやってきたのだろう。

我が家では見つけたイモリを家の水槽に継ぎ足し継ぎ足しして、、、、
もう20年以上。
秘伝のアカハライモリ。

今年は一匹だけ、ちびっこたちが観察するために水槽で飼うことにした。
継ぎ足しからのっ、卒業~♪

カタツムリ。
正式名があるのかな?それは知らない。
「はぁ~」ってため息が聞こえるのは僕だけ?
雨はうれしいんじゃないんけよ?
GW、意外と疲れるよね~って、、、。

トウキョウダルマガエルの卵?
ちびっこが絶対触りたいやつ。

いた、いた。トウキョウダルマガエル。昔はトノサマガエルって呼んでたやつ。

アマガエル。
やっぱりじめじめした曇りの時に見ると綺麗。

カラッとした時もいいけど。

ヒガシニホントカゲ。
西日本のと区別するのにヒガシがついたらしい。シマドジョウという魚がいるけど、やはりこの辺のものはヒガシシマドジョウと呼ばれるようにかわった。

コオイムシ。
深海のグソクムシに顔が似てる。
タガメもいる。でも、ゲンゴロウは見ない。ゲンゴロウより小さなゲンゴロウの仲間はいる。

ホソミオツネントンボ?あってるのかな?
一番早く目についたのがこのトンボ。毎年いる。
時期で黄色いのがいたり、赤いのがいたり、色々種類がいるようだ。
写真はないけど、GWにどんどん色々なトンボが出てきてる。

オオカワトンボ?


キバネツノトンボ。
トンボと言ってもウスバカゲロウの仲間らしい。だからアリジゴク期もあるらしい。ただ、アリジゴクのようなすり鉢は作らないらしい。
キバと毛がすごい妖精。
東京では絶滅したという希少種。

土手の草がモソモソしてたので覗いてみると、マイマイカブリ。
食事中に交尾中。失礼。

クマバチ。
クマンバチとかダンゴバチって家では呼んでいる。
こどもの頃、畑で目の下をこれに刺された記憶がある。

たっくさんいるけど、今は刺される気がしない。
ニホンミツバチよりずっと優しい蜂だと思う。

このうしろ姿がいい。なんかオムツはいてるみたいで。

ニホンミツバチ。
またしても分蜂。今回はしつこく3度追われたけど、なんとか振り切った。分蜂するときは刺さないって父親から聞いていたけれど、いや、刺すぞ!

田んぼ周りは、たっくさんの生き物が集まる場所だった。

 

そしたら、いざ懐かしい場所へ。歩いて川を渡って、、、。
目的の川へ。川というより沢へ。
昔いた生き物を探しに。

おっと、イワタバコ。
小学校の時、ここじゃないけど、祖母が川の対岸にあるイワタバコをどうしても採りたいということで、祖母をゴムボート(川下りをして遊んでいたもの)に乗せ、対岸まで泳いで引っ張っていったことがある。
今思うと、すごいことしてたなと、、、、。

沢には綺麗な石が数多くある。なんてことない石だけれど、、、。
昔から石の、、、特に色が好きで、よく石拾いをしていた。
今でもそうだ。写真におさめるようにしている。

そして地層。
これも魅力。いずれ地層特集をしたいなと思っている。

けものみち。
これもまた魅力。やはり特集をしたいくらいだ。
こんな階段が日常の生活にあるといいなぁと思う。

話がそれたけれども、、、

あたりは昔は田んぼだった場所で、今は休耕田。ただ、沢水は絶えずに流れているから、湿地化している。ひい爺ちゃんがいたころは、ここの田んぼにマムシが50匹もいたとか、、、、。
今じゃマムシも絶滅危惧種。

いい感じの水路。

このいい感じって、とても大切な感覚だと思う。生き物がいそう、そんな感じの水路ってこと。早速、網でガサガサしてみると、ハシリグモの仲間?
よく見ると綺麗。

サワガニ。

ゲンジボタルの幼虫。
ちゃんと見たのは初めてかもしれない。

カジカ。
こどもの頃、石をそ~っとひっくり返して網に追い込んで捕って遊んだ。
オオヨシノボリもよくいた。今もどちらも健在。

ヌマエビ?
かなりたくさんいて、スジエビより圧倒的に多かった。

 

そして、遂に探していたものと出会う。

 

ホトケドジョウ。

ここらでは、「ババスコ」と呼ばれる。
ババスコ。こちらのほうが、なじみ深い。そして響きもいい。

お腹を見ると、黄色い卵が見えた。抱卵している。もう一匹、同じ場所に同じ大きさのオスもいた。こちらのお腹は白い。近々産卵するのだろう。陸生の植物が沈水しているが適度にあるので、今年も繁殖はうまくいきそうだ。

秘伝のアカハライモリと同様、ホトケドジョウとの出会いは、かれこれ20年以上前。はじめは金魚の水槽にいれて飼育していたけれど、意外に獰猛。
金魚の尾びれをズタズタに食いちぎってしまう。それ以来飼育はしなかった。

懐かしい。

何とか命をつないでいてくれたことに、とても安心した。

ホトケドジョウ。田んぼの暖かな水が子供の頃の生育には必要。田んぼからは餌も得られる。今は湿地化した休耕田がそれを担っている。
絶滅が危惧される種類。本来、人間の営農活動と密に関係して生活していた魚だからこそ、今では良好な生息環境がないのかもしれない。
生息数は確かに減ったと思う。
これから田んぼを復活させることは担い手の問題や耕作の不便さ、もちろん所有者の考えもあるから、とても難しいことかもしれない。けれど、湿地化した水田に、ちょっとした池のような空間を造成するだけで、幼稚魚にとって極めて過ごしやすい生息場を提供できると思う。

そこからまた、昔のようなホトケドジョウの天国が生まれると思う。

そんなことを考えつつ、

最後に、我が家の3名瀑の一つ、「小袋田の滝」へ。

見た目以上に実は急で。

小学生の時に、友達とこの上を目指した。
秘密基地だった。
近くには名瀑だけでなく、様々な滝があって、全部は登っていないけど、サワガニ捕りのついでにチャレンジしたりした。
滝の上はどんなんなってんのかなぁ~。と、このワクワク感が僕たちをひきつけた。

大人になった今でも、これに似たワクワク感を求めている。

釣りがその一つ。

生きるのにとても重要なワクワク感。

この沢と滝とホトケドジョウと、多くの生き物が教えてくれた感覚。

自分のちびっこたちにも味合わせてあげたい。
そう強く思う。

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コメント

    • 田舎っぺルアーマン
    • 2019年 5月 16日 10:37pm

    ホトケドジョウ。私が小さいときにはババスコと呼ばれてました。理由は不明。でも懐かしい。
    最近那珂川のサクラマスが減少していますが、私が気になっている事を一つ。
    最近は那珂川でのヤマメの成魚放流が盛んになりました。で、その放流する養殖魚なのですが、養殖の主な目的は食用であったり川や釣り堀に放流する為であったりする訳ですが、養殖するとしたら綺麗なヤマメを作りたいとしていると思います。
    ということは、ヤマメらしいヤマメから親として使う訳ですよね。それって陸封ヤマメの選抜飼育じゃないかと。
    それを何年、何十年と繰り返しているのだから、だんだんと降海する遺伝子が薄まっていて、そのヤマメを大量に放流するするものだから、その影響で川のヤマメも海に下る性質をもたなくなるような?
    どう思います?

      • River4129
      • 2019年 5月 17日 11:10am

      ババスコ。いい名前ですよね。
      私もそう呼んでました。重要なところ、記事に紹介し忘れましたので「ババスコ」追記します。
      面白い名前で呼ばれている魚って結構いますよね。私の主ターゲット、ニゴイも「サイ」「サインボ」ですものね。
      それだけ人と接する機会が多かった魚だということなのでしょうね。
      呼び名も大切に後世に引き継がないと、そう思います。

      那珂川のサクラマスの降る性質、、、私も薄まる可能性は十分にあると思います。
      一方で、今の解禁当初の成魚放流している魚が産卵まで釣れ残り、繁殖に貢献している可能性は低いとも思っています。
      でも可能性はゼロではないですよね!

      例えば、産卵期に継代ヤマメ(よその地域の系統など)の親魚を産卵場へ放流し繁殖を促進させるとしたら、
      那珂川ヤマメやサクラマスへの遺伝的な影響、、、色々考えられますが、すくなくとも地域性の消失につながってしまうと思います。
      産卵場は限られた範囲でしかないですのでダイレクトに影響します。
      昨年度は那珂川北部漁協さんで親魚放流を実施したようです。親魚の由来は不明です。

      また、スモルトする割合に変化がでる、という調査結果もあるようです。
      1.奥多摩ヤマメ(ずっと継代されている)オス × 北海道のサクラマスメス
      2.北海道の在来ヤマメのオス × 北海道のサクラマスメス
      1と2から生まれた子のスモルト率は、1のが低くなった、という結果です。
      2のオスはサクラマスの血が濃い?でしょうから当然と思います。

      ですので、増殖を目的にした成魚放流を那珂川の産卵場で今後行っていくのであれば、
      継代されたよその地域のヤマメではなく、那珂川産のヤマメから作った親魚を用いることが適当なのだと思います。
      そして、解禁当初などに放流する個体も、当然、那珂川産がベターだと私は思います。
      ただ、現状では那珂川産をもっているところはないでしょうから、一から作らないとけません。
      まずは、那珂川サクラマスやヤマメ、放流魚の遺伝的な性質を調べて、整理することが重要ですね。
      はたして、那珂川オリジナルの種苗は作れるのか?を明らかにして、そこから方向性を練っていくしかないように思います。

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