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【マスノマスク】~欅への擬態~

北関東「那珂川」。
まもなく渓流解禁となります。
とは言っても茨城では3/1からはサクラマスのみ、ヤマメは4月…
栃木はいずれも解禁となります。

そんな解禁まじかの那珂川水系。
まだまだ川沿いは冷える…欅の大木はこないだの雨で水分を蓄えたようです。
樹皮がはがれながら成長しているのでしょうか。

この樹皮というのはランディングネットの材料にも使用しています。

欅の幹。部分的に樹皮がはがれ…反る。
苔が生えたり、菌なのか様々な模様をもつ欅の樹皮。

そんなとある樹皮を見たとき…ぱっと降りてきたイメージ。
樹皮の形や色、窪みの位置なのから…それはもう…
鱒のフェイスマスクにしか…見えませんでした。

湧いてきたワクワク、すぐに形にすべく、流域の材と合わせて…
鱒の彫り物に。

その名も…

【マスクマス】

鱒のマスクは欅皮。
ご先祖さまが土手の土砂崩れを防ぐ目的で植えたと伝えられる欅から一年ほど前に採取しておいたもの。
まさか、こんなものに使われているとは…先祖さまも想像していなかったでしょうね。
眼球には黒く硬い水系の木を使用。。
そこへ淡水二枚貝の殻をはめ込みました。
ちょうど樹皮の窪みが目を入れてください!と言わんばかりの形でしたので、言われた通りいれると…
急に息づきはじめた鱒。
鰭ピン。
二色が美しい水系の天然材。
裏面。鱗模様を彫りました。
Riverlineの焼き印も施してあります(うつってないけいど)。

擬態

ある程度形になったので…欅のはがれそうな樹皮にはめてみると…
一体化。
欅から鱒が生えてきた…
違和感はもはや…ない。
ご先祖さまは、まさかここに鱒がはめられるとは思いもしなかったでしょう。
5年ほど前に亡くなった祖父とこの欅を伐る伐らない(危ないから俺がきる…いややるな…俺がきる的なもめごと)で喧嘩して、欅に私がのこぎりの歯を一入れしたことを思い出しました。10年以上まえですね。懐かしい。祖父も今は鱒が生えているなんて思いもしないでしょうね。

擬態はほどほどにして、さっそくオイルを入れてみることにしました。

オイルイレル

木の色がたちます。欅の樹皮も美しい。この橙色がなんとも言えない。
ただ引いてみると、ヤッターマンの敵にでてくるトンズラ(黒紫系の体格良い黒ひげ)にしか見えない…。
この黒い木の部分は那珂川流域の作用によるものですよね。
自然が創り出したトンズラのひげです。
やはり爬虫類も入ってますよね鱒。
オイルをいれたら質感がとてもよくなりました。
眼のぷっくり感もはっきりと。
荒々しい雄鱒です。
樹皮の窪みが眼の位置ジャストミート。
本当にマスクです。
この樹皮の模様を作り出すのは簡単ではない。
凹凸や色彩。どれも素晴らしい。
ティラノサウルス感。
この角度ならまだ鱒感。
しつこいですが…ほんとナイスマスク。
鰭もよい質感。
顔の凹凸。
アベノマスクならぬマスノマスク。
この光の角度もまたよし。
体表の鱗。

欅の樹皮。
僕のハンドクラフトには欠かせない水系の素材です。

この那珂川流域の素材をつかってどんどん生き物たちを形にしたい。
その想いがまた強くなりました。

自然にとけこむものづくり

僕のテーマです。
ここ那珂川流域のもので、自然環境になじむ、とけこむものを生み出したい。
このマスクマスの欅への擬態はその「とけこむもの」の一つとなったかもしれない…。

さあ、このマスクマス。
手のひらサイズのマスクマス。
ブローチでいけるのか、あるいはオブジェか。

検討しながら次の作業を進めていきます。

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