昨年作成した「DENKYU」。
後継小型「Denkyu60W」をご紹介。
フレームは真竹。
グリップは那珂川流域産の流木。
ミズナラではないかと思ってます。
ランディングネットSUISAIでも使用したグリップ材です。
柿渋による染色、泥鉄媒染でのグラデーション。
当初は、下のような一色を予定していましたが…
秋完成とうことや柿のちょうど良い時期とも重なったこともあり、昨年作った柿渋と那珂川流域の泥、錆鉄、湧水などの作用をランディングネットに盛り込みたいと、思いきって染色することにしました。
柿渋だけに、渋いグラデがでて気に入っています。
グラデ前の写真になりますが、本体の方を見ていきたいと思います。
グリップはミズナラ流木。
那珂川の作用を経て、腐食した材。
人が故意に表現するのは到底困難な模様がなんともいえません。
少々大き目の穴には、ドロバチの泥巣を焼成し、砕いた陶土を埋め込みました。
グリップの端に焼き印を。
グリップエンドは鹿角。
水難お守りともいわれていますね。
グリップとの接合には竹棒を入れて補強。
そこへ、淡水二枚貝の殻を装飾。
次にフレーム。
真竹です。
焼きをいれて茶褐色に。
竹表面のつややかな部分を鱗模様にランダムに削り、オリジナルなちょっと気持ち悪い模様を演出。
竹鱗模様と呼んでいますが、好きでよく使用します。
焼きを入れた際に、表面が油ではじかれてできたような模様もあるように感じています。
竹を削って多様な層を露出させ、さらに焼くことで生まれる模様。
まだまだ、様々な手法が隠されているように感じてワクワクする部分です。
内側にも焼きを比較的均等に施しました。
フレームとグリップの接合部には鹿角を。
ドロバチの泥巣を樹脂と混ぜ合わせ、欅皮を少々凸レーション。
淡水二枚貝の殻も凸りました。
淡い光が好きです。
ミズナラの水管にも泥巣を混ぜ込み、自作の虫食いを演出。
ここにはオレンジ色のメノウを埋め込みました。
内側には、強度を上げるため薄い竹板をはり、そこへ欅の皮を重ね張りしました。
魚がネットインして暴れた場合、フレーム自体が薄く柔軟な真竹であることから、この接合部に力がかかることが予想されますので、鹿角とグリップのミズナラ材とを渡すように張り合わせています。
グリップ側面には竹棒を入れ込み、接合を強化しました。
そして、二枚貝を凸レーション。
柿渋自然染色を施したクレモナ手編みネット。
水に濡らした状態は、色濃く、このグラデーションが渋いです。
渓流域のイワナやヤマメの色彩とマッチしそうです。
仕上げはニホンミツバチの蜜蝋と流域産のえごま油をブレンドした特製ワックスで磨き上げました。
那珂川流域の素材をふんだんに盛り込んだ、こだわりのランディングネットです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<サイズ>
内径縦25cm 重さ89g
クレモナ半目15mm
ネットサイズを越えない小型魚を対象にしたサイズ。
89gは有孔素材のグリップと真竹フレームを限りなく薄くしたことで実現した軽さです。
クレモナですのでバーブレスフックでの使用がよさそうです。
◎取扱いについて◎
1.フレームは1枚の竹フレームでできており、しなり・ねばりがあるのが特徴です。そのため、ランディングネットを振って水切りすることや、魚をネットに入れた状態で空中に持ち上げる、持ち運ぶなど負荷のかかる動作により、フレームまたはグリップとの接合部が破損する恐れがありますので、お取り扱いには十分ご注意ください。
2.使用後は水を十分にふき取り、陰干し乾燥、蜜蝋ワックスで拭き上げてくださいますようお願いいたします。
3.車内に長時間置いておくなど、外気温より高温条件下にさらされることでフレームの変形や破損につながりますのでご注意ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この記事へのコメントはありません。